那須川天心 初のチャンピオンベルトを「控え室に忘れてしまいまして」と告白 世界挑戦は「流れに任せる」
13、14日の2日間で8つのタイトル戦が行われたボクシング「PRIME VIDEO BOXING 10」の一夜&二夜明け記者会見が15日、都内のホテルで開かれ、2日目にWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座を獲得した那須川天心(帝拳)らが出席した。 天心は王座を返上して来年の世界初挑戦を目指す考えを試合後に表明しており、この日も「目指してるのはこのベルトではないので、重みもしっかり受け取りながら次に進みたい」と語った。 前夜は「ベルトを控室に忘れてしまいまして、粟生(隆寛トレーナー)さんが持っててくれたらしくて」と打ち明け、会見後もベルトを忘れるボケを入れるなど、WBO-AP王座はあくまで通行手形。「あんま仕組みも分かんないんで、これゲットして挑戦権みたいな感じだと思うので、守ってとか思わないので、流れに任せる。あくまでも挑戦権を得たと」とコメントした。 現在のバンタム級は、2日目に防衛したWBCの中谷潤人、初日に井上拓真からベルトを奪取したWBAの堤聖也、IBFの西田凌佑、WBOの武居由樹と世界王者4人が日本人で、彼らの誰かに挑戦する可能性が高い。天心は「みんなすごいレベル高くて強いなと思います。ファイターというよりトータルでなんでもできる選手が世界チャンピオンになってると思う」と指摘し、世界の頂点と戦うために「ここが優れてたら勝てるというのは、そこまでいいと思ってない。全てのレベルを上げなければいけないと思うし、チャンピオンはみんな怖さを持っていると思う。絶対ズレないポイントでしっかり勝負できるかというのが大事になってくると思う」と課題を口にした。 前夜は初の10回戦で10ラウンドを初めて戦い抜き、ボクシングでは初のベルトを獲得し、格闘技キャリア初のカットを経験するなど初物尽くしで「昨日はホントにホントに、自分の中ではすごく実になった。いろんなことを経験できたので、絶対次に生きるなと。また強くなれるチャンスをいただいたので、無駄にせず日々稽古に取り組んでいきたい」と、収穫が多かった様子。 カットについては「縫った方がいいよと言われたけど拒否しました。痛いのきらいなんで」と言いつつも、「格闘家っぽいなというか、顔に傷がある。憧れてはいました、正直。傷痕ってすごい残るらしいので、変な治療しちゃうと後が残って今後の試合にも響くので、縫うかもしれないなという方法を考えています。格闘技って一番大事なので。そこで生きるなら、顔に針を通そうと思います」と、格闘家としての本音をのぞかせた。 前夜の試合で「よりボクシング好きになったというか、奥深いなと」と思ったという天心は「またすぐ体を動かしたいな」と笑顔で話していた。