20代で元気そうな隣人が「生活保護受給者」と聞きました。「働けない」の基準ってなんですか?
生活保護といえば、働けない事情があるなど、経済的に困窮している人が利用する制度です。しかし、一見元気そうな人が生活保護を受給しているケースもあるため、「受給対象になるのはどのような人なのか?」と、疑問に思われることも多いのではないでしょうか。 本記事では、生活保護の受給要件とともに、受給要件の一つである「働けない」の基準について詳しく解説します。また、働ける状態になった場合に、生活保護の受給はどうなるのかも確認しておきましょう。
生活保護の受給要件とは?
生活保護は、すべての国民が健康的な状態で最低限度の生活を送れることと、自立を助長することを目的とした制度です。収入が、厚生労働大臣が定める最低生活費に満たない場合におもに受給対象となりますが、以下のような要件がありますので、確認しておきましょう。 ●資産を所有している場合は、売却して生活費に充てる ●働くことが可能な人は、能力に応じて働く ●ほかの制度で給付を受けられる場合は、活用する ●親族などから援助を受けられる場合は、受ける このように、資産・能力やそのほかのあらゆるものを活用しても収入が最低生活費以下となる場合に、その差額が保護費として支払われます。
受給要件の一つである「働けない」の基準は?
生活保護の受給要件の一つに「働くことが可能な人は、能力に応じて働く」とありますが、「働くことが不可能」な場合は、すべて生活保護の受給対象になるのでしょうか。 まず、病気やけが・障がいなどにより働けない場合は、生活保護の受給対象になることがあります。一見して病気であることが分かりにくい精神疾患を抱えているケースでも、診断書があれば働けないことを証明できるため、主治医に相談して、生活保護申請前に診断書を作成してもらうことが必要です。 また、健康面に問題がなくても、シングルマザーで子どもを預けて働くことが困難な場合や、親の介護をしている場合など、何かしらの事情がある人も生活保護を申請できます。 さらに、働く意思があっても「雇ってくれる会社が見つからない」という理由で働けないときも、受給が認められます。 まだ若く、健康面に問題を抱えていないように見える人が生活保護を受給している場合は、事情があって「働けない」と判断されている可能性があるでしょう。