太宰治の出身地で作品朗読会 日英2カ国語で魅力堪能 青森・五所川原市金木町
作家太宰治の出身地である青森県五所川原市金木町で9日、太宰作品の日英朗読会が開かれた。「富嶽百景」と「走れメロス」の抜粋が日本語と英語で読み上げられ、集まった人々は4月に発売されたリンゴの果実酒などを味わいながら、太宰文学の魅力に浸った。 朗読会は、津軽鉄道・芦野公園駅に隣接する「赤い屋根の喫茶店『駅舎』」で開かれた。市内のリンゴ生産者などでつくる「太宰のリンゴ酒プロジェクト」チームが、企画第3弾の新商品である「富嶽百景」と「走れメロス」のお披露目を兼ねて企画した。 市内外から集まった20人余りを前に、飯詰八幡宮(同市)宮司で英語塾を開いている松野実和さん(44)が二つの作品の英訳を朗読。また、松野さんの長女で五所川原第四中学校1年の心春(こはる)さん(13)が日本語で堂々とそれぞれ作品を読み上げた。 出席者はグラスを傾けながらじっと耳を傾け、朗読が終わると温かい拍手を送った。大役を終え、ほっとした様子の心春さんは「登場人物で声を変えたり、緩急をつけたり、重要なところは力強く、ゆっくりと読んでみたりした。知り合いも褒めてくれたので、すごくうれしい」と笑顔で語った。