【ニュージーランド】NZ国際観光税、10月から約3倍に引き上げ
ニュージーランド(NZ)政府は、10月1日から、外国人訪問者から徴収する国際観光税(IVL)を現在の35NZドル(約3,175円)から100NZドルに引き上げると発表した。公共放送ラジオNZが伝えた。 IVLは査証(ビザ)または電子渡航認証(NZeTA)申請時に請求される。NZ人とオーストラリア人、および両国の居住ビザ保有者、乗り継ぎ客などは課税が免除される。観光地の公共サービス維持費用を確保するため、2019年に導入された。 ドゥーシー観光相は、「意見を提出した人の93%がIVLの引き上げに賛成していた」とし、「税額の引き上げにより観光の質を向上させ業界をさらに成長させることができる」と説明している。 一方、アオテアロア観光業界(TIA)は「100NZドルは大きな障害になる」として反発。TIAの試算では、IVLの引き上げにより観光客数は年間4万8,000人減少し、最大2億7,300万NZドルの収入を失うことになるという。 TIAはまた、政府が別途10月から観光ビザを211NZドルから341NZドルに引き上げると発表したことにも言及。NZ政府観光局(TNZ)の予算が削減されたことと併せて、各決定の累積的な影響が懸念されるとした。 ドゥーシー観光相は、「100NZドルという金額は海外からの観光客1人当たりのNZでの総消費額の3%未満で、課税額の引き上げにより国際的な競争力を失うことはない」と強調している。 オーストラリアは出国税を課しており、昨年これを60豪ドルから70豪ドル(約76NZドル、約6,900円)に引き上げている。