従業員専用サウナにアートギャラリーまで…オシャレすぎるJINSの新社屋に潜入!
併設するアートギャラリーで、インスピレーションを刺激
また長谷川は、複数の会議室を擁する3階の共有スペースをアートギャラリーとして展開。オープニングを飾ったのは、立石従寛、松田将英、保良雄の3名によるインスタレーション「Gravitation」。 落下して割れたカップ&ソーサーの破片が、仮想空間で再び出会う物語を表現した7枚のLEDモニターに映し出される映像作品で、そのモチーフとなったのは、詩人・谷川俊太郎の詩集「二重億光年の孤独」。万有引力を「引力に引き合う孤独の力」と定義した一節にインスピレーションを経て制作された作品は、浮遊感のあるBGMが没入感をもたらし、見る者の想像力を掻き立てる。 長谷川は「アーティストの創造性とビジネスの発想や創造性がアクチャリティを持ってクロスする場所。年2回の展示プログラムを通して、日常を見る眼差しの感度を上げ、少し先の未来へと踏み出す、インスピレーションを与えるアートを展開する」と想いを語る。
1階のコーヒースタンドは、誰もが利用できるオープンエリア
1階ではジンズが経営するコーヒ―ショップ、オンカコーヒーの3号店となる「ONCA COFFEE 神田店」がオープン。ハンドドリップで丁寧に淹れられるメニューは潔く、ブラックの「kuro(クロ)」と抽出方法にこだわったカフェオレの「siro(シロ)」の2種類のみ。1号店でありカフェを併設する焙煎所「前橋店」で焙煎した豆を用いた高品質な一杯を提供する。 ここでは、同じくジンズが運営するベーカリーカフェ「エブリパン」の焼き菓子も販売している。往来の多い交差点の一角に位置する新社屋。社員はもちろん街の人たちも楽しむことが可能なコーヒースタンドだ。
実はこの新社屋は、周囲一帯の再開発により将来的に取り壊しが予定されている、いわば仮社屋。その時期が来れば同社は、再び新たな社屋に移転することが決まっている。ではなぜ、ここまでの大掛かりなリノベーションを施すのか。 ジンズは現在、“Second Genesis(第二創業)”を掲げ、JINSブランドの刷新に取り組んでいる。これは商品のみならず社員の働き方についても同様で、自分たちが冒険者(ベンチャー)であることを改めて認識し、覚悟をもって新しい価値観づくりに挑戦するマインドを取り戻すべく、本社移転とフルリノベーションを決めたのだという。 さまざまな仕掛けで社員のイマジネーションを刺激し、クリエイティビティを誘発するジンズの新社屋。この場所から、いかにユニークで洗練されたデザインや革新的な機能を持つアイウエアが誕生するのか、期待して待ちたい。
文:高野智宏