24年の映画興収「年間トップ10」示すヒットの傾向。23年と比較するとどんな違い?トレンドを分析
2024年も終わりに近づいている。この1年の映画興収を振り返ると、今年もアニメが圧倒的な強さを見せているのは例年と変わらない。 【ランキングを全部見る】2024年映画興収ランキング「トップ10」 T0P10内の邦画と洋画の割合も昨年と同じだ。変わったのは、洋画実写において、昨年6位の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(54.3億円)のような大ヒットが生まれず、今年はゼロになったことだ。 ■多様な作品から生まれたサプライズヒット ただし、それぞれの作品を見ていくと、昨年とはヒットの質が異なることがわかる。漫画や小説、ゲームなどの人気原作の映画化や、ドラマ映画化といった従来型の定番作品のヒットではなく、オリジナル脚本などから想定以上の興行成績をたたき出すサプライズヒットがいくつも生まれているのだ。
早速今年のトップ10を、昨年のトップ10と比較しながら見てみよう。 今年の100億円超えは、年間1位と2位の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(157.3億円)と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(116.2億円)の2本。昨年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(140.2億円)のような洋画からのスーパーヒットは生まれなかった。 ※外部配信先ではランキングを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
一方、昨年はTOP4までアニメだったが、今年は3位に実写『キングダム 大将軍の帰還』(80億円)がランクイン。昨年5位のシリーズ前作『キングダム 運命の炎』(56億円)から興収を20億円以上アップする大健闘になった。 2024年のこのほかのTOP10内は、ドラマとリンクした世界線のオリジナル脚本の『ラストマイル』(59.3億円)、YouTube発メディアミックスの映画版『変な家』(50.5億円)、小説投稿サイトから生まれTikTokで火が点いた戦争映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(45.4億円)。