少女像と共に…ベルリンで女性に対する暴力撤廃の国際デー
「Ni Una Menos(ニ・ウナ・メノス)」 女性に対する暴力撤廃の国際デーの11月25日(現地時間)、ドイツのベルリンに設置されている「平和の少女像」(以下、少女像)の前に集まった人々が叫んだ。アルゼンチンの言葉で「1人として失うわけにはいかない」を意味する「ニ・ウナ・メノス」は、2015年に「フェミサイド」(女性であることを理由とするあらゆる殺害)に反対してアルゼンチンではじまったフェミニズム運動のスローガンだ。この日、ドイツの代表的な女性団体「極右に反対するおばあさんたち」と少女像を建てた在独市民団体「コリア協議会」は共同で集会を行い、家父長的暴力で命を落としたすべての女性を追悼し、撤去の危機に立つ少女像を守ろうと訴えた。 集会に参加した80人あまりの人々は、少女像の位置するミッテ区からティアガルテン市庁舎まで行進しながら、「フェミサイドをやめろ」、「私たちはここに来ていて、騒ぐつもりだ。あなたたちが『アリ(少女像の名前)』を盗もうとしているからだ」というスローガンを叫んだ。コリア協議会は「私たちは今日『慰安婦』女性たちを追悼する。戦争中の性暴力に対する警戒心を呼び覚まし、『慰安婦』女性追悼の象徴である少女像を守るための闘争は今も続いており、それは家父長的構造がドイツでも依然として深く根を張っていることを示している」と述べた。 平和の少女像のあるミッテ区のシュテファニー・レムリンガー区長は、先月31日までに少女像を撤去すること、違反すれば3000ユーロ(約440万ウォン)の過料を課すことを通知してきた。しかし、コリア協議会は裁判所にミッテ区の命令の効力停止を求める仮処分を申し立て、現在は裁判所の判断を待っている。 この日の集会に参加したベルリンのトレプトウ・ケーペニック区緑の党青年部の代表を務めるサンティアゴ・ロドリゲスさんは、「私たち緑の党は少女像の永久保存を支持する」と述べ、同党に所属するレムリンガー区長の撤去決定を批判した。同氏は「緑の党が率いる区が銅像の撤去を主張し続けるのは、歴史的義務に対する深い無責任を表すものであるだけでなく、この問題に対する私たちの党の立場を尊重する意志が不足しているということを示している」として、「私は、犯罪被害者の歴史を消し去るために加害者の側に立つ政治家たちとは共に働かない」と述べた。 女性に対する暴力撤廃の国際デー週間に際し、欧州各地ではベルリンをはじめとして抗議デモが行われた。フランスでは23日、400以上の団体の主導で、数千人の市民の参加を得て、女性に対する暴力に反対する集会が行われた。25日にはスペインやギリシャ、イタリアなどでも、ジェンダーにもとづいた暴力によって命を落とした女性たちを追悼する行事が行われた。ドイツのオラフ・ショルツ首相はこの日、X(旧ツイッター)への投稿で「3分に1度、女性や少女たちは家で暴力を受けている。これも警察の統計に表れた犯罪に限ったものだ」とし、「女性のためのシェルター、カウンセリングサービス、頼れる財政などのためのより多くの空間があるべきだ」と述べた。 国連は1999年に、11月25日を公式に「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に定めた。国連女性機関と国連薬物犯罪事務所(UNODC)はこの日、昨年だけで世界で8万5000人あまりの女性が男性によって意図的に殺害されたと明らかにした。DPAの報道によると、ドイツも暴力にさらされる女性の数が増加しており、昨年は938人がフェミサイドの犠牲になるか、そのような危険にさらされ、そのうち360人が実際に死亡している。 また韓国女性の電話は、韓国で過去15年間に報道された件数だけを集計しても、親密な関係にある男性パートナーに殺害された女性とその周囲の人は少なくとも1672人おり、昨年1年間に少なくとも192人が死亡したと発表している。 ベルリン/チャン・イェジ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )