「見たことない昆虫」…調べてみたら日本一小さいカブトムシだった 生徒が相次ぎ発見、小宝島では初確認 十島村
鹿児島県十島村小宝島で、これまで島内で公式に確認されていなかったクロマルカブトムシが初めて採集された。小宝島学園8年の前田志(こころ)さんと9年島弘大さんが、牧野忠彰校長に「見たことのない昆虫」を届けたことで新発見につながった。その後、7年の北原雅己さんも発見。同定した研究者がつくった標本を手にした3人の生徒は「もっと昆虫のことを調べてみたい」と喜んでいる。 【写真】〈関連=カブトムシをアップで見る〉小宝島学園生が島内で捕まえたクロマルカブトムシ(小宝島学園提供)
牧野校長によると、カブトムシは5月25日、前田さんと島さんが学園近くで登校中に3匹発見。鹿児島昆虫同好会の塚田拓さんに同定依頼し、クロマルカブトムシの雄1匹、雌2匹と分かった。 その後日本大学の専門家に確認したところ、小宝島で採集された記録はなく、11月、新知見として塚田さんが同会の会報誌に報告した。体調は12~14ミリ。クロマルカブトムシは日本で一番小さいカブトムシで、十島村悪石島や喜界島、沖永良部島、沖縄県粟国島などで確認されているという。 2人の生徒と牧野校長は、採集者として報告に名前が記載された。前田さんは「虫に興味はなかったが、今回のことで他の昆虫のことについても詳しく調べてみたいと思った」。島さんは「昔から虫は好きだった。だんだんと離れてしまっていたが、また興味がわいてきた」と話している。 十島村では本年度から7校が義務教育学校となっており、総合学習の時間を「トカラ科」として、島の自然や文化に目を向ける教育に取り組んでいる。牧野校長は「生徒が授業外で何げなく捕まえた昆虫が発見につながった。今後も身の回りにある多くの島の魅力に興味を持って調べてほしい」と期待している。
南日本新聞 | 鹿児島