安全なバスを利用者目線で厳選 大阪のベンチャーが貸切料金見積もりサイト
どの価格が適正?素人に見極めは困難
今年1月に起きたスキーツアーバス転落事故を受け、国土交通省の設置した有識者委員会が再発防止策※を先日まとめた。これまでにもバスの事故は何度も起きており、特に夜行バスの場合は大きな被害が出ている。事故原因は様々だが、貸切バスの「低価格競争」がその根底のひとつであることは明らかであり、価格のために安全を犠牲にするような事業者は"退場"させる仕組みづくりが急務である。一方、貸切バスや高速バスを利用する我々も、お金と安全の関係性についてもう一度考え直さなければいけない。すべてにおいて「安かろう・悪かろう」とは言い切れないが、安全運行には一定のコストがかかるわけで、その当たりを見極めることが重要だが実際には「どの価格が適正」で「どの事業者が安全」なのか、素人が見極めることは困難だ。そんな中、大阪のある会社が「安全・安心」を前面に打ち出した、貸切バスに関するユニークなサービスを開始した。 長野県で相次ぐバス転落事故 迫られる冬の山岳地の運行対策
人数・日程入力でバス貸切料金見積もり スタッフが足で調査
今年3月にオープンしたwebサイト「まいばすぶっく」。このサイトは、貸切バスの見積もりや手配が行なえる。例えば会社や友人で旅行へ行く時に、人数や日程を入力すれば、バスの貸切料金を見積もりしてくれる。だが、同様のサイトはこれまでにもあった。「まいばすぶっく」は何が違うのか、社長の下川和大さんに話を聞いた。 「これまでの見積もりサイトは、貸切バスの出発エリアや到着エリアで営業しているバス会社に片っ端から打診をし、その中で安い会社を紹介するというスタイルがほとんどでした。それに対して当社では、あらかじめ運行状況や安全に対する取り組みを独自に調査し、一定の水準に達したバス会社を厳選しています」 調査とは、例えばドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの運行管理機器を設置しているか、自動ブレーキなどの運転補助装置がついているかといったハード面はもちろん、運行時に運転手が名前を名乗るか、シートベルト着装のお願いをするかなど、ソフト面もチェック。 スタッフがバス会社へ出向き、代表者や運行担当者と直接話をしたり、車庫でバスを見たりする。時には高速道路のサービスエリアに行き、バックの丁寧さやバスの停め方までチェックするという。