「そもそも人と合うと思っていない。同意も求めていない」金子晃大、負けられない一戦へ『無』の境地 我が道で2度目の頂へ
第3代K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者の金子晃大(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)が9月29日、国立代々木競技場 第二体育館で開催される『K-1 WORLD MAX 2024』の-55kg世界最強決定トーナメントに出場。2度目となるトーナメント制覇に挑む。 【映像】金子晃大が明かした本音 金子はプロ6戦目でKrushバンタム級王座を戴冠。“負け知らず”で臨んだ2020年3月のK-1 WORLD GP JAPAN~K‘FESTA.3~では、プロ10戦目にして玖村将史に初黒星を喫する。 「自分が上に行くためにいろんなことをやりすぎた。試合にまったく集中してなかった。試合に向き合ってなかった。マジで舐めてた格闘技を」 この負けから怒涛の4連続KO。玖村との2度目の対戦は、敗戦からおよそ2年後。2022年2月、スーパー・バンタム級王座決定トーナメントの決勝。右の剛腕を炸裂させて玖村からダウンを奪うなど、プロデビューから6年目にして第3代K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者に輝くと同時に、玖村との因縁の対決に終止符を打った。 しかし歓喜の戴冠から一転、4か月後の6月19日に『Yogibo presents THE MATCH 2022』にK-1王者として臨み、鈴木真彦に敗れる波乱と屈辱が待っていた。今年3月、“RISE年間最大のビッグマッチ”『RISE ELDORADO 2024』では鈴木真彦と悲願の再戦を果たす。金子が合計2度のダウンを奪ってリベンジに成功した際には「K-1が弱いと思われたのは僕の責任」と珍しく苦しかった思いを口にした。さらに約1年9カ月を振り返った金子は「試練が多かった」ともこぼしている。 今回の試合前にインタビューに応じた金子は、今までの勝ち負け、そしてすべての経験を通じて「人として成長できた。見えていないものが見えてきた」と静かに口を開いた。 金子といえば試合の会見時などに一言で試合のテーマを表現することが恒例となっており、その独特な感性が話題にもなり、誤解を招くことも。このことについて本人は「そもそも人と合うと思っていない。同意も求めていない。それでずっと小さいころから生きてきた。わからないからこそ、突っ走れるものがある。普通に合わせないからこそ、イカれたくらいできる。(格闘技は)イカれたやつらがいっぱいいるから面白い。普通だったら面白くない」と答える。 「社会不適合者ですね?」との質問には、笑顔で「完全にそうですね」。金子は格闘技に没頭し、格闘技によって救われてきたのだ。さらに「最低限はやっていかないといけない。だからといって、良い人ではない。“金子ヤバイ”なっていう見られ方していると思うけど、それが正解。それでファンが減ったとしても、ファンを増やしたいという気持ちもない。それが自分なんで」あくまでも金子は金子だ。 今回のトーナメントについては「試されている」とも。「これでダメだったら『人生ってつまづいたら終わりなんだな』と思ってしまう。人生も格闘技も絶対落ちるときがある。その中でも落ちたところでも変わらずにやっていけるところが、自分にしか見せられない。格闘技で試合をするのが好き。だから『無』で淡々とやるしかない」と金子らしく、漢字一文字で決意と覚悟を語った。 かねてから『無』と『感謝』を口にしてきた金子。その思いと姿勢は変わらずに9・29国立代々木競技場 第二体育館で自身トーナメント2度目の制覇に向けて負けられない、譲れない戦いに挑む。準決勝の相手は璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)。第7代Krushスーパー・バンタム級王者、第3代K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王座決定トーナメント第3位の実力者だ。
ABEMA TIMES編集部