女性たちの映画史にスポット当てた書籍「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト」発売
未公開映画の上映活動を行うグッチーズ・フリースクールが監修を手がける書籍「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック」が、フィルムアート社より本日4月26日に発売された。 【画像】「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック」より。(他6件) 本書は「女性たちの映画史」にスポットを当てた1冊。スクリーンに存在する女性についての映像表現や、イメージを紡ぎ上げる作り手の思考を考察する内容となっている。恋愛、青春、闘争や労働・家庭についてなど、女性存在へのアプローチをめぐるさまざまなカテゴリーが設けられており、降矢聡、吉田夏生が編集を担当した。 なお発売にあわせて東京・下高井戸シネマでは出版記念上映イベントを開催。「エンジェル・アット・マイ・テーブル (2Kレストア版)」「ラブレス」「青春がいっぱい」「ガールフレンド」「天使の復讐」がスクリーンにかけられる。 ■ 「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック」目次 INTRODUCTION 「女性たちの映画」とはなにか CHAPTER1 スクリーンの中の女性たち 1 彼女たちの恋愛 メロドラマを成立させた、伝統的価値観における女性像とその変遷│佐藤久理子 ・女性と恋愛とステレオタイプ ・ロマンティック・コメディはどこへゆく? ・恋のお悩み相談室 2 彼女たちの青春 「冬の旅」、その後……│鈴木史 ・彼女が旅に出る理由 ・ユースプロイテーション~女性の撮り方研究ノート ・シスターフッド/マイ・ベスト・フレンズ 3 彼女たちの闘争 「レイプ-リベンジ」映画の系譜を遡る―女性と暴力をめぐる逆説―│鷲谷花 ・彼女はアクションスター ・声を上げた女性たち 4 彼女たちの労働・家庭 極私的〈女性の労働 映画篇〉考│川口敦子 ・働く女性のお仕事図鑑 ・家事も立派な労働である ・映画から考える、「私の身体、私の選択」 5 彼女たちの恐怖 ホラー・クイーンの醒めない悪夢│小澤英実 ・恐怖は誰のものか? ・逆襲するファイナル・ガール CHAPTER2 彼女たちの映画史 1 初期映画の作家たち ・映画の女性パイオニアたち│常石史子 2 女性監督の(再)登場 ・70年代アメリカの女性監督たち ・80年代アメリカの女性監督たち(1) ・80年代アメリカの女性監督たち(2)│渡部幻 3 作家主義以降 ・戦後フランスの女性監督たち(1950-2000年)│新田孝行 ・イギリスの女性監督たち│高崎郁子 ・ドイツの女性監督 戦後ドイツの別の側面│渋谷哲也 ・イタリアの女性監督たち│古賀太 ・旧ソ連・南米・南欧の女性監督たち│赤坂太輔 4 ヒット作から見る女性監督 ・1980年代以降における女性監督による大ヒット作品│月永理絵 5 現代の女性映画監督たち ・鼎談「憧れ」から「共感」へ、「私」から「私たち」へ│降矢聡、吉田夏生、田中竜輔 CHAPTER3 映画を広げる女性たち ・未来をキュレーションする:川喜多かしこと高野悦子 映画上映におけるふたりの女性パイオニア│高崎郁子 ・インタビュー:映画評論家 松本侑壬子 「私たちの自己主張」のために――「女性監督映画の全貌」をめぐって ・アンケート:映画を広げるという仕事をめぐって ・ブックガイド:彼女たちの研究・批評・理論 CHAPTER4 ドラマシリーズの女性たち ・座談会 2013年以降のドラマシリーズにおける女性たちをめぐって (稲垣晴夏、黒岩幹子、関澤朗、山本恭輔、降矢聡、吉田夏生、田中竜輔) ■ 「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト 女性たちと映画をめぐるガイドブック」出版記念上映 2024年4月27日(土)~5月3日(金・祝)、6月15日(土)~21日(金)東京都 下高井戸シネマ 料金:1500円均一 <上映作品> 「エンジェル・アット・マイ・テーブル (2Kレストア版)」 「ラブレス」 「青春がいっぱい」 「ガールフレンド」 「天使の復讐」