<アンメット ある脳外科医の日記>“記憶障害の脳外科医”を演じる杉咲花「神々しく見えた」 原作マンガを手がける大槻閑人さんが語る
杉咲花さん主演のカンテレ・フジテレビ系“月10”ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(月曜午後10時)は、“記憶障害の脳外科医”という主人公の川内ミヤビ(杉咲さん)が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく医療ヒューマンドラマだ。元脳外科医の子鹿ゆずるさんが原作、大槻閑人(おおつき・かんと)さんがマンガを手がけ、「モーニング」(講談社)で2020年から連載中のマンガ「アンメット-ある脳外科医の日記-」が原作。原作を描いているマンガ家の大槻さんが、ドラマについて語った。 【写真特集】大槻さんが撮影現場を訪れた際の写真も! メーキングカットも続々(全11枚)
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--ドラマは5月13日に第5話が放送されますが、ここまでの放送をご覧になって、いかがですか?
「すごく上質なドラマ」、その一言に尽きると思います。昨今の日本のドラマは、もっと分かりやすくライトなものが受け入れられやすいのかなと思っていましたが、SNSに寄せられたコメントを読むと、後遺症の怖さや登場人物たちの複雑な心情など、原作で大切にしてきたことは視聴者の方たちにきちんと伝わっていて、「アンメット」の世界が受け入れられたことがとてもうれしかったです。そこには、医療のリアリティーを追求する制作スタッフの本気とキャストの皆さんの素晴らしいお芝居があり、中でも、杉咲花さんと若葉竜也さんのお芝居からは、僕も毎回目が離せないです。
第1話は、出版社の担当編集さんをはじめ8、9人で見たのですが、屋上でミヤビが「今日が明日につながらない」と三瓶(若葉さん)に苦しい胸の内を吐露する場面では、作者として2人の過去を知っているからこそ、そこに言葉以上のものを感じて、人目もはばからずボロボロ泣いてしまいました。そのあと、残されたミヤビが一人で泣くシーンも、医者でいたいけれどいられないミヤビの気持ちがひしひしと伝わってきて、杉咲さんが神々しく見えるほど素晴らしいシーンでした。
正直にいうと、ドラマ化のお話をいただいた当初は、実写化することで原作をもっと多くの人に知ってもらえたら……というくらいの気持ちでした。僕としては、ドラマと、マンガは完全に別もので、スタッフの方たちが真摯(しんし)に向き合ってドラマを作った結果、それが世間からの評価を得られなくても、僕が心血注いで描いたマンガが傷つくわけではないと思っているんです。それでもやはり、自分が描いたマンガをこれだけ上質なドラマにしてもらえたことは素直にうれしいですし、反響も大きくて驚いています。