「トイレにも行けない…」増える高齢患者を汗だくで介助 「5類」移行1年でも「ゼロコロナ続けなければ・・・」 対策緩められない地方病院の現実
「ゼロコロナ続けなければ」地域医療ストップ
「第10波」の感染が広がった今冬には、感染した入院患者を受け入れる12床では、朝に退院させて清掃し、昼には新たな患者を迎える状態が続いた。病院前まで搬送された患者の受け入れを断らざるを得ない日もあった。 だが感染対策は5類移行前と変わらない。感染制御室の田中早苗室長は、北信医療圏で数少ない高度医療や救急医療を提供する北信総合病院内で集団感染が起これば、「手術や救急患者を受けられなくなり、地域医療がストップする。ゼロコロナは続けなければならない」と強調する。
職員は引き続き感染対策に神経をとがらせ、物品購入費用もかさむが、呼吸器内科の千秋智重部長は「弱毒化したが感染力は強く、高齢者や基礎疾患を抱える患者が多い院内で、風邪と同一視はできない。医療現場では新型コロナは終わっていない」と訴えている。