ペットと参加する“避難訓練”、飼い主が地震に備えて学ぶ 愛知・尾張旭市
地震が発生したとき、ペットと一緒にどのように避難するべきか。愛知県尾張旭市にて、ペットと飼い主が“同じ室内で過ごす“避難生活に向けた実験が行われた。「思っていたよりすごく大変だった」と訓練を振り返った参加者たち。大切なペットの命を守るため、発災時の行動を学ぶことが大切だ。
ペットと一緒に生活する「同室避難」を実験
愛知県尾張旭市にて、ペットと飼い主が同じスペースで避難生活を送る「同室避難」の実験が行われた。実験会場になった部屋には、緑色のテントを複数設置。犬や猫などペットを連れた参加者たちが次々と受付を済ませ、テントの中へと入っていった。
実験では、実際の「同室避難」と同様にペットたちが逃げ出さないようにケージを準備。しかし、慣れないおうちに警戒心を抱き、なかなかケージに入ろうとしない犬や、ケージに入ることが出来ても、不安そうな表情で飼い主を見つめる犬の姿も見られた。
テントの外に猫が座り込み、スタッフが飼い主に猫をテントに入れておくよう指示をするシーンも。また、同じ部屋に次々と入ってくる初めて見る犬や猫に、リードをひっぱるほど興奮するペットの姿も目立った。
“普段は家の中で寝ている”というペットの飼い主は、「(避難所が)どういう環境かちょっと心配だった」と参加を希望。また、「やっぱりこの前の地震があって、ペットも家族なので一緒に逃げられたらいいなって」と、今年1月に発生した能登半島地震を機に参加を決めたという家族もいた。
能登半島地震でも課題となった“ペット問題”
能登半島地震では、ペットの避難が課題にもなっていた。石川県輪島市の避難所では、愛犬と一緒に過ごす女性の姿が。地震発生後、無我夢中で家族と愛犬を連れて、避難所で逃げてきたという。「(地震で)机の下に隠れてたときも、子どもも犬をぎゅっとしてたし。(愛犬を)やっぱり置いて逃げることはできなかったので、一緒に連れて逃げてきました」と当時の様子も涙ながらに振り返った。
愛犬との避難について、当初は迷いもあったという。「不快に感じる方がいるかなって思いながら、負い目も感じていた。でも、皆さんこの避難所の方は、みんな(愛犬を)可愛がってくれて、良くしていただいています」と話す。同じ避難所で生活しているおばあちゃんが愛犬を撫でにきたり、愛犬は避難所の人々にとって癒やしの存在となっている。