懐かしいカセットのアナログサウンドが楽しめる、FIIO「CP13」プレーヤー
ソニーから「ウォークマン」が発売されたのは1979年7月1日のこと。それは個人の音楽鑑賞における強大な変革を起こした。このようなものはそれまで見たことがなく、私は最初のウォークマンを目にした時、これを1台なんとしても手に入れなければならないと思ったことを覚えている。 オールアナログの回路を搭載した最新カセットプレーヤーFIIO「CP13」 そして現在、カセットテープ(コンパクトカセット)とウォークマンはとっくに死んだとあなたは思っているかもしれないが、ビニール盤のレコードと同様、世界で最も一般的なテープフォーマットは完全に死に絶えることを拒否しており、今も数十億本の埃を被った録音済みカセットテープが存在している。それらの中には、1980年代に私たちの多くがお気に入りの曲を編集して作ったロマンティックなミックステープが含まれていることは言うまでもない。 そんな多数のカセットテープ所有者に向けて、中国・広州に本拠を置くポータブルオーディオ機器メーカーのFIIO(フィーオ)が魅力的なカセットプレーヤーを発表した。USB-Cポートを備え、一度の充電で最大13時間の再生が可能なこの「CP13」は、私たちがとてもよく覚えているクラシックなカセットテープの音を生み出すオールアナログの回路を搭載している。 本物のアナログ再生のために、CP13の音響回路はすべてアナログの部品で作られている。磁気ヘッドから信号増幅器にいたるまで、デジタル技術は一切使われていない。その結果、カセットテープによるクラシックで純粋なアナログのサウンドを聴くことができる。 CP13のモーターは、多くのカセットプレーヤーで一般に使われている1.8Vや3Vより高電圧な4.2V電源で駆動する。この電源は独自のモーター速度安定化回路と連動して機能し、必要に応じてモーターの抵抗を増加させることで動作速度を安定させる。この技術によって不要なピッチ変化が抑えられるため、CP13は多くの種類のカセットテープに対応できる。 FIIOによれば、多くのカセットプレーヤーに使われているシングルエンド信号の取り込みと異なり、CP13では専用ヘッドからの平衡信号の取り込みのために差動回路を採用しているため、より安定した信号伝送、高いS/N比、低歪みを実現しているという。 カセットプレーヤーのサイズは、最終的には内部の駆動部品の大きさによって制限されるものの、FIIOのエンジニアはCP13を可能な限りコンパクトにすることにこだわった。製造と構造設計を統合することで、 CP13は厚さわずか31.8mmと、ほとんどの携帯カセットプレーヤーよりも薄くてコンパクトに仕上がっている。 CP13の電源にはリチウム電池が採用されており、USBタイプCポートから充電できる。このバッテリーは前世代のカセットプレーヤーで使用されていた単三乾電池よりも軽量で、一度の充電で13時間の再生が可能だ。 FIIO CP13は、日本では量販店やネットショップなどで1万9800円前後という価格で販売されている(6月に追加されたフタ部分が透明の「Transparent」モデルは2万2000円前後)。 ●主なスペック 電池容量:1800mAh 再生時間:13時間 オペアンプ:JRC5532 フライホイール:純銅製 メカニカルコア:カスタマイズされたメカニカルコア ヘッド:カスタマイズされた平衡増幅磁気ヘッド 出力:250mV S/N比:≧55dB サイズ:約120×88.3×31.8mm 重量:約310g
Mark Sparrow