直木賞候補作に5作品 青崎有吾、柚木麻子らがノミネート
■岩井圭也『われは熊楠(くまぐす)』
岩井圭也さん(37)の『われは熊楠(くまぐす)』は、“知の巨人”として知られる南方熊楠の苦悩と困窮、家族との軋轢(あつれき)、学者としての栄光と最愛の息子との別離を描いた物語です。 岩井さんは大阪府出身。2018年に『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビューしました。今回が初のノミネートとなりました。
■柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』
柚木麻子さん(42)の『あいにくあんたのためじゃない』は、過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドルなどが描かれる全6編の物語です。 柚木さんは東京都生まれ。2008年に『フォーゲットミー、ノットブルー』で第88回オール讀物新人賞を受賞し、同作を含めた単行本『終点のあの子』でデビューしました。2013年の『伊藤くんAtoE』をはじめ、『ナイルパーチの女子会』や『マジカルグランマ』などで直木賞候補になっていて、今回が6度目のノミネートとなりました。 受賞作は7月17日に発表される予定です。