一部区間で運休続く米坂線 山形県 復旧後にJR単独運営以外の可能性も検討へ
山形放送
おととし(2022年)の豪雨で現在も一部区間で運休が続いているJR米坂線について山形県は19日、鉄道復旧に向けJR単独運営以外の可能性について検討するとの考えを明らかにしました。 JR米坂線はおととし(2022年)8月の豪雨で橋が崩落するなどの被害があり、長井市今泉と新潟県村上市の坂町の間で区間運休が続いています。 JR東日本は復旧費用が86億円に上ることや利用者が減少する中で持続可能な運行は見込めないなどとして復旧後のJR単独での運営は難しいとしています。その上で4つの運営方法について提案しています。 新潟県関川村で開かれたJRや沿線自治体などによる4回目の復旧検討会議では、JR側が運営方法のうち「JRが運営を担い、沿線自治体が施設の管理などを行う」いわゆる「上下分離方式」とした場合、沿線自治体の負担が新潟県坂町駅と長井市の今泉駅の被災区間で年間合わせておよそ13億円から17億円に上るとの試算を明らかにしました。線路や電気設備の保守費用などが含まれるということです。 一方、現在運行している代行バスについて、10月までの1年間に1日当たりの利用者は上下合わせて平均で240人ほどだったと明らかにしました。 こうしたデータを踏まえJR側は「復旧してもJR単独で運営することは難しい」との見解を改めて示しました。 一方、県の担当者は県内の沿線自治体から「JRによる運営を求める」「国に対し財政支援を働きかける必要がある」などの意見が上がっていることを示した上で県として鉄道復旧に向けた議論を前に進める必要があるとしました。 県みらい企画創造部小中章雄・部長「JRが提示した4つのパターンのうち、JR運営を求めつつ他のパターンについて自治体間で検討を行うことが必要」 県は鉄道復旧を第一に考えJR単独運営以外の可能性も検討していくとしています。