いとうまい子×合田美瑞帆ロボット開発対談「ロボットが、自分と未来をワクワクさせてくれる」
持続可能な未来へ向けた取り組みや、SDGsの目標達成のヒントとなる話題を各界の著名人とビジネスパーソンが語り合う「シリーズ:未来トーク」。 【写真】いとうまい子氏、ロボット開発に取り組む合田美瑞帆氏、「KIRARA」「temi」との4ショット! 今回は目標8「働きがいも経済成長も」と9「産業と技術革新の基盤を作ろう」に関わる「ロボットとAI」について。女優で介護予防ロボット開発者のいとうまい子氏と、通信インフラ設備の構築を中心に事業を展開しつつ、近年ではロボット事業にも取り組むミライト・ワン ビジネス推進本部の合田美瑞帆(ごうだ・みずほ)氏が「ロボットがもたらすワクワクする未来」をテーマに語る。
高齢化社会・人手不足など社会課題の解決に寄与するロボットたち
合田美瑞帆氏(以下、合田)「いとうまい子さんは芸能活動の傍ら、介護ロボット『ロコピョン』の研究にも携わってこられたそうですね」 いとうまい子氏(以下、いとう)「はい。45歳の時に早稲田大学人間科学部に進学し、3年次に所属するゼミを決める際に、ロボット工学のゼミに入ったことがロボット研究・開発に携わるきっかけでした。その時、高齢化が進む日本においてロコモティブシンドローム(※1)がひとつの課題になっていることを知り、大学院修士課程でロコモを予防するロボット『ロコピョン』を開発したのです」 ※1:ロコモ、運動器症候群。運動器の障害により、身体能力や移動機能が低下している状態を指す。 合田「ロコピョンとはどのようなロボットなのでしょうか?」
いとう「高齢者をターゲットに開発したロボットで、1日3回朝昼晩、高齢者に声をかけて一緒にスクワットをしてくれます。ユーザーはロボットと一緒にスクワットを実施することで、運動機能の低下を防ぐことが期待でき、健康寿命の延伸の実現にも役立ちます。 ところで、合田さんはロボットを扱っている部門で働かれていますが、どのような経緯でロボット事業に携わることになったのでしょうか?」 合田「私はもともとミライト・ワンで宿泊業のDXを推進する『イータブ・プラス』というサービスをメインに提供していた部署に所属していました。 イータブ・プラスはホテルの館内情報や周辺の観光情報、客室内の設備操作をタブレットで行うサービスですが、ホテルの方々とお話しする中で、2019年頃から新型コロナウイルスの影響で従業員・宿泊客の減少が進み、その後コロナが落ち着いたことで宿泊客は戻ったものの従業員が戻ってこず、人手不足が深刻化している現状を目の当たりにしました。 そうした人手不足への対応として、当社ではロボット事業を強化し、AI搭載のコミュニケーションロボットを観光業界に導入していきたいと考えました。それが、私がロボットソリューション事業に関わることになったきっかけです。コロナ禍が解消された現在は、ロボットが人の助けになるような未来を皆様にお届けしたいという思いで、ホテル内の施設案内や宿泊客へのサービス案内を自動化できるロボット『temi』をはじめ、エレベーター連携清掃ロボット『KIRARA』などを、世の中に送り出しています」