やっぱり『モンスターハンター』は凄かった…!カプコンが仕掛けた《大ブームの秘策》2004年から20年間を振り返る
2004年3月、シリーズ1作目がプレイステーション2で発売されてから今年で20年を迎えた「モンスターハンター」シリーズ。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言 先日、シリーズの累計販売本数が1億本を突破したというニュースが飛び込んできたことも記憶に新しく、さらに、2025年には待望の新作『モンスターハンターワイルズ』が発売を控えているなど、その勢いはとどまるところを知らない。 幅広い年齢層から支持を集め、日本のみならず世界中から愛される、今や押しも押されもしないタイトルとなった「モンスターハンター」。 では、「モンスターハンター」はいかにしてこれほどの人気を獲得するに至ったのであろうか。かつての狩猟を初期作から最新作までを振り返ることができる書籍『モンスターハンター超百科』を手掛けるテレビマガジン編集部が徹底解説。スーパーコンテンツの世界戦略、その道のりを辿ってみよう。
『モンスターハンター』の誕生
初代『モンスターハンター』がプレイステーション2でリリースされた2004年当時。従量制ではなく定額で使えるインターネット環境が一般家庭にも普及したことにより、PC、コンシューマ(家庭用ゲーム機)ともに、オンラインゲームのブームが到来する。しかし、その多くはRPGにカテゴライズされるものであった。 これには明確な理由があり、普及したとはいえ、当時のインターネット環境は2024年現在とも比ぶべきもないものであったので、頻繁にデータのやりとりを行う必要があるアクションゲームを、オンラインで遊べるようにするのは困難だったためである。 しかしそんななか、カプコンの開発チームはこれに挑戦した。 アクションゲームで特に重要となる、入力のレスポンス面の調整もさることながら、当時の考え方として最も革新的だったのが、「同期させる部分を最小限に抑えた」という点だろう。 オンラインマルチプレイゲームの場合、複数のプレイヤーがネットワークを介して同様の画面が見られる状態にしなくてはならない。しかし『モンスターハンター』では、「大型モンスターのみ同期をとる」方式にしたのである。 これはつまり、プレイヤーが対峙するリオレウスを始めとした大型モンスターの挙動は、クエスト参加プレイヤー全員が同じものを見ているが、小型モンスターに関してはその限りではない、ということである。 「モンスターハンター」シリーズ初期のタイトルをプレイしたことがある方であれば、「自分の画面では誰にも攻撃されていない小型モンスターが、突然討伐された」といったシーンを目撃したことがあるのではないだろうか。 これは、上記の最小限の同期調整による結果がプレイヤーにわかる代表的な例といえるだろう。このような革新的なアイディアと、それを実現させた大胆な舵取りにより、骨太でありながらストレスを感じさせないアクション性をオンラインゲームで実現。 『モンスターハンター』はコアなゲーマーを中心に支持を集めるようになった。