「自民党をゼロから立て直す」自民非公認の西村康稔氏が8選 政治とカネ問題で逆風も
「政治とカネ」問題を主要争点に4人が議席を争った兵庫9区(明石市、洲本市、南あわじ市、淡路市)では、旧安倍派幹部で、不記載事件に絡み自民非公認となった無所属前職、西村康稔氏(62)が逆風下の選挙戦を制し、8選を果たした。 「当選確実」の一報を受け、兵庫県明石市内の選挙事務所に西村氏が姿をみせると、大きな拍手が鳴り響いた。西村氏は「こんな厳しい選挙は最初の選挙以来。政治をやろうというころの自分を思い出した。勝てたのは皆さんのおかげ。襟をただして、原点に戻って自民党をゼロから立て直す一翼を担いたい」と述べた。 平成15年の初当選以来となる無所属で臨んだ選挙戦。野党が「裏金」批判を強める中、自らは不記載ではなく、派閥からの還流分100万円を正しく記載しなかった誤記載だとした上で「裏金といわれることにはじくじたる思いがあるが、責任がないとはいわない」と説明し、街頭や集会などで理解を求めた。 公明の推薦を得て、自公連立政権の与党候補であることを強調し、経済産業相を務めた実績もアピール。保守層の厚い淡路島内で支持層を固めたほか、大票田の明石市内でも浸透した。 一方、野党側は立憲民主党や日本維新の会、共産党がそれぞれ新人を擁立し、西村氏の責任を追及したほか、公明の推薦を問題視。立民の野田佳彦代表や維新の吉村洋文共同代表ら各党幹部が応援に入ったが、異例の短期決戦で候補を一本化できず、政権批判票をまとめきれなかった。