11月の米利下げ観測強まる、大幅な追加緩和の確率は五分五分
(ブルームバーグ): 11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利下げ幅を巡る議論が激しさを増している。当局者の間で次の行動に関する検討が始まる中、トレーダーはFOMCの動向に連動する先物取引でポジションを増やしている。
24日に発表された米消費者信頼感指数が予想を下回ったことを受け、投資家はFOMCが11月7日に2会合連続となる0.5ポイントの利下げを決めるとの見方にやや傾斜。スワップ市場では、大幅な追加緩和と標準的な0.25ポイントの追加緩和のどちらが行われるかは、事実上、五分五分の確率となっている。
スワップトレーダーは、年内あと2回のFOMC会合で合計約0.75ポイントの利下げを織り込みつつあり、いずれかの会合で0.5ポイントの利下げが行われる可能性を示唆している。
マニュライフ・インベストメント・マネジメントの上級ポートフォリオマネジャー、ネイサン・スフト氏は「われわれは0.5ポイント派に次第に傾いている」と述べた上で、「だが公式には、今年2回、つまり11月と12月の0.25%ずつの利下げというスタンスは変えていない」と述べた。
先物ポジションのデータを見ると、先週の政策決定以来、市場は11月7日に向けて備え始めたことが分かる。2年国債先物の未決済建玉は急激に増加し、トレーダーが保有するポジションの量は24年12月限で約440万枚に達し、過去最高となった。また、担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する先物12月限への賭けも大幅に増加している。
しかし、11月会合を巡りさまざまな政策当局者からまちまちなシグナルが発信されているため、トレーダーは現時点でどちらか一方に大きく賭けることは控えている。これは、9月18日の0.5ポイント利下げ決定を前に、先物市場でこの幅での利下げが有望視されていたのと対照的だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は24日、「慎重な」ペースで政策金利を引き下げるべきだと述べた。前日には他の当局者2人が0.5ポイント利下げの可能性を重大視しない考えを示していた。一方、シカゴ連銀のグールズビー総裁は、金利は「大幅に」引き下げられる必要があると述べた。