エヌビディアが先に提案した…ネイバーとエヌビディア「AIミーティング」
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)とネイバーの李海珍(イ・ヘジン)グローバル投資責任者(GIO)が先月25日に米カリフォルニア州サンタクララのエヌビディア本社で会った。エヌビディアの提案で実現した今回の会合がどのような後続措置につながるのかに対し人工知能(AI)業界の関心が大きくなっている。 ネイバーとAI業界などによると、李GIOとネイバーの崔秀妍(チェ・スヨン)代表、ネイバークラウドのキム・ユウォン代表らがフアンCEOと会い、「ソブリンAI」モデル構築案について議論した。ソブリンAIはデータセンターを特定国内に作り、その国独自のインフラとデータで構築するAIモデルを意味する。 業界ではAI半導体インフラを供給する新しい市場としてソブリンAIに注目していたエヌビディアが数年前から「AI主権」を強調しながらこの市場を攻略してきたネイバーと協業関係を構築しようとするのではないかとの見方が出ている。両社はこれまで水面下で数回にわたり接触を続けてきたという。ネイバーウェブトゥーンが上場する6月27日を控えて李GIOと崔代表の米国訪問日程が決まり、フアンCEOとのオフラインミーティングが実現した。 エヌビディアは3月に企業用ソフトウエア企業のオラクルと協力し世界の顧客を対象にソブリンAIソリューションを提供するという計画を発表した。フアンCEOは2月にドバイで開かれた世界政府サミットでも「データとAIに対する国の所有権を強調したソブリンAIが世界の指導者には途轍もない機会であり、すべての国は自主的なAIを構築・所有する必要がある」と強調した。 ネイバーもビッグテックに従属しないソブリンAIを世界進出戦略に掲げた。3月にはサウジアラムコとパートナーシップを締結し、中東地域に最適化されたソブリンクラウドとスーパーアプリ構築、アラビア語中心のソブリンAI開発に協力することにした。ネイバー関係者は「ソブリンAIのように各地域固有のAIモデルを構築するのは高性能グラフィック処理装置(GPU)を保有するデータセンター、これを駆動する電力網、データ需給に向けたパイプラインなどを備えなければならない大規模プロジェクトであるだけに、企業間のパートナーシップが必須。ソブリンAI拡散に向け緊密な協業が必要だということに両社とも共感した」と説明した。 現在AI半導体市場の圧倒的なワントップはエヌビディアだ。エヌビディアはGPUに特化した開発プラットフォーム「CUDA」を世界の開発者コミュニティに無料で配布し生態系を育てた。その後生成AI開発が広がり、現在AIチップ市場の90%以上を掌握している。エヌビディアのGPUは1個当たり5000万~6000万ウォンの値が付き、品薄現象まで起きている。 そんなエヌビディアがあえて先にネイバーにミーティングを提案したのは、エヌビディアから独立するためのビッグテック独自のチップ開発、協業など「反エヌビディア」同盟の動きが拡散しているからだ。独自AIチップであるテンソル処理装置(TPU)を開発してきたグーグルは第6世代モデルのトリリウムを公開した。マイクロソフトも昨年AIチップ「マイア」とCPU「コバルト」を出した。