感謝と激励、力走誓う 能登でフットケア窪田さん 金沢マラソン当選ランナー決定
10月27日の第10回金沢マラソンの一般申し込みの抽選結果が24日決まり、当選したランナーが本番での力走を誓った。定員が過去最多1万5千人となる節目の大会は、能登半島地震の復興を後押しするイベントとしても位置付けられている。当選者の中には被災者や能登でボランティアに取り組む人もおり、「感謝を胸に走る」「能登に元気を届けたい」との声が聞かれた。 「能登に活気を与え、復興につながる大会になるよう力添えしたい」。当選通知を受け、介護福祉士でフットケアアドバイザーの窪田健汰(けんた)さん(29)=円光寺1丁目=は力を込めた。 窪田さんは市内でフットケアなどのサロンを営む母と、5年前から月1回、輪島で高齢者に足のケアを行っており、元日の地震後は能登各地で被災者のフットケアに取り組む。 被災地で目にしたのは、復旧が進まない現状に意気消沈し、生活再建への不安を募らせる住民の姿だった。優しくしてくれた能登の人たちに「恩返しをしたい」と思い、昨年に続き金沢マラソンに申し込んだ。 輪島市町野町に帰省中、地震に遭った医療従事者中村明美さん(59)=大桑2丁目=は、実家暮らしの母(88)を支えてくれる住民やボランティアへの感謝を込め出走する。「趣味のマラソンに出られるのは当たり前じゃない。感謝の気持ちでいっぱい」と語った。 6回目の当選を果たした会社員松本利勝さん(61)=泉が丘1丁目=は「学童野球のちびっ子に応援してもらえると特に頑張れる。昨年のタイムを上回りたい」と話した。 ●亡き家族に雄姿 能登半島地震の土砂崩れで、妻と子ども3人が犠牲となった大間圭介さん(42)も当選した。大間さんは「子どもたちに『やればできる』と言ってきて、(子どもたちは)いつも目標を達成してきた。次はお父さんの番だよ、という思いでエントリーした」と挑戦の理由を語った。 抽選倍率は1・84倍(昨年2・36倍)だった。参加料入金は8月4日まで。金沢マラソンは県や市、北國新聞社などで構成する組織委員会が主催する。