『虎に翼』寅子の本音からツッコミまで! 尾野真千子の秀逸な語りを制作統括も称賛
尾野にオファーした経緯については「初稿にその語りが入っていて、どんどん脚本ができていく中で、この語りはとても難しい、という話になりました。お芝居ができる役者さんにお願いしないと成立しないのではとなり、いろいろと考えた結果、尾野真千子さんならお願いしても大丈夫なのではないかということでオファーしました」と、尾野に全幅の信頼を寄せていたことがうかがえる。 「量も多いし、シンプルなナレーションだけではなく、寅子のモノローグ的な気持ちも話すということで、尾野さんも最初に台本を読まれた時は、これをどういう風に言えばいいのかと考えられたみたいです。でも、私たち的には、最初の収録時の尾野さんのナレーションが本当に素晴らしかったので『これはイケる!』と思いました。尾野さんは不安の中でやられていたみたいですが、完成したものをスタッフで観て『本当にすごいナレーションになったね』と言ったことは今でも覚えています」 また、尾野と伊藤との間にやりとりについては「お二人は個人的にお知り合いなので、尾野さんがナレーションをやるという連絡はされたと思いますが、細かいところでどんな風にやるかといったことはお話されてないと思います」とのこと。 「尾野さんはナレーションの収録でよくNHKにいらっしゃいますが、自分が収録現場に顔を出すと気を遣わせてしまうということで、行かないようにしていると言われていました。それは尾野さんも『カーネーション』で主演をされていて、大変さをわかっているからこその気遣いかなと。だから密に連絡を取りあうことはせず、放送は毎日家で観て楽しんでいますという距離感でいらっしゃるのではないかと」 役者がナレーションを務めることも多い朝ドラだが、『らんまん』(23)を担当した宮崎あおいが、神木隆之介演じる万太郎が遺した標本の整理をするバイトの藤平紀子として、『カムカムエヴリバディ』(21) を担当した城田優も、川栄李奈演じる大月ひなたと再会するビリーことウィリアム・ローレンス役でサプライズ出演し、視聴者を歓喜させた。いち視聴者としては、尾野もいつかそういったスポット出演をしてくれることを期待せずにはいられない。 (C)NHK
山崎伸子