「21世紀枠」で初戦敗退も…自力で甲子園出場をつかんだ9校
2009年:利府(宮城)
戦績:ベスト4 1回戦;○10-4 掛川西(静岡) 2回戦:○2-1 習志野(千葉) 準準決:○5-4 早稲田実(東京) 準決勝:●2-5 花巻東(岩手) 2009年に21世紀枠で出場した利府は、宜野座と並んで同枠最高順位のベスト4を記録。県内には名門の仙台育英、東北がおり、出場を逃し続けていた鬱憤を晴らした。その後、14年に、夏の選手権大会で再び聖地の土を踏んだ。
2009年出場:彦根東(滋賀)
戦績:初戦敗退 1回戦:●4-5 習志野(千葉) 同年に出場した利府とは対照的に、21世紀枠で出場した2009年には、惜しくも初戦敗退に終わった彦根東。しかし、この後、13年、18年の夏、18年の春に、それぞれ甲子園出場を果たした。
2010年出場:山形中央(山形)
戦績:初戦敗退 1回戦:●4-14 日大三(東京) 2010年に21世紀枠で甲子園初出場を果たした山形中央。同大会では初戦敗退を喫したが、この経験を糧に、同年夏の選手権で県代表を勝ち取り、春夏連続出場。「東北絆枠」で出場した13年春には甲子園初勝利、14年夏には2勝を挙げベスト16入りを果たした。
2013年:土佐(高知)
戦績:初戦敗退 1回戦:●0-4 浦和学院(埼玉) 2013年に私立校として初の21世紀枠で選出。1回戦で敗れはしたものの、同年の優勝投手・小島和哉(現千葉ロッテマリーンズ)擁する浦和学院を相手に善戦した。その後、2016年に一般選考で選抜出場を果たした。
2014年:大島(鹿児島)
戦績:初戦敗退 1回戦:●2-16 龍谷大平安(京都) 2014年に21世紀枠で選出された奄美大島に位置する県立校・大島。同大会を制した龍谷大平安を相手に悔しい結果に終わったが、今春、本格派左腕・大野稼頭央投手(現福岡ソフトバンクホークス)を擁して、聖地に戻ってきた。明秀日立(茨城)に初戦で敗れはしたものの、全国にその存在を知らしめた。
2020年選出:帯広農(北海道)
戦績:― 甲子園交流試合:○4-1 健大高崎(群馬) 2020年選抜大会に21世紀枠で選出された帯広農。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため大会が中止となり出場は幻に終わった。だが、翌21年の夏に北北海道代表として、甲子園出場を果たした。 甲子園の土を踏むことで、チームに自信やモチベーションをもたらす。全国の強豪とぶつかることで、やらなければならないことが見えてくる。地元の後押しや、ナインの勇姿に憧れて有望な選手が入ってくるなど、副次的な環境の変化を生むこともあるだろう。 ローマは一日にしてならず。最初から強豪だったチームはないのだ。甲子園常連校になるためには、一人のスター選手だけではなり得ず、“部”として強くなる必要がある。「21世紀枠」は、部の歴史において大きな転機となり得るはずだ。
ベースボールチャンネル編集部