現役保育士・てぃ先生が徹底解説! 子ども同士のトラブル、親は何をしたらいい?
親は子どもの話を聞いて共感するだけでも良いんです
――子ども同士である程度コミュニケーションがとれる5~6歳になってからのトラブルも、同様の対応で良いのでしょうか? そうですね。子どもの話を聞いて共感することに尽きます。何歳であろうと、まして5,6歳で手が出るのだとしたら、その子にはその子なりの言い分や理由がある場合がほとんどです。誰彼構わず叩いているわけじゃないと思うんです。もちろん、年長さんくらいの年齢になると、お友だち同士の相性等、いろいろな要素が出てくるのも事実なのですが。 ――家では、「あなたもこうしたかったんだよね」「その気持ちわかるよ」と認めてあげることが親のできる唯一無二のことなのですね。 はい。大人は裁判官ではありません。「誰が悪い」と判断する必要はないんです。「話を聞くこと」が一番大事な役割。「あなたはこう思ったのね。そうだよね、わかるよ」とまずは気持ちを受け止める。その後に伝えたい内容を話す。この順番を意識しないと、子どもはただ否定された気持ちになってしまいます。 もう少し相手の気持ちに踏み込みたいなら、「相手の子はこうしたかったのかもしれないね」と添えれば十分です。「自分がされたら嫌でしょ」なんて言いがちですが、これは子どもを傷つけるだけで良い効果はほとんどありません。 ――わが子の話を鵜呑みにしてしまって良いのでしょうか? 相手の子の話も聞いてみないと、ことの真相はわからないと思いますが。 鵜呑みにするのではなくて、あくまで話を聞くことが重要なポイントです。「また嘘ついて」「あなたも何かやったんでしょ」と子どもを信じていない発言をすると、子どもは「親は信じてくれない」と余計情緒不安定になってしまいます。
「家で目を光らせています」という対外的なパフォーマンスで、非難の目から逃れて
――トラブル続きの子の親に対して、ちゃんと親が言い聞かせてないのではと憤慨する人もいると思うのですが。 直接的に「叱ってないでしょ!」と言ってくる人なんてほぼいません。きちんと園とも相談をしていれば、その辺りも含めてフォローしてくれます。そもそも家でお子さんに言い聞かせて、その問題が解決したケースなんて、僕は見たことないですからね! トラブルを起こさないために家の中でルールを決めて、それを園内で守らせる……それが成功した人なんて見たことがないです。僕の経験上、お子さんのメンタルを考えるとマイナスの効果の方が強いように思います。