韓国・コンビニ「キムチ」が人気に…背景に1人暮らし世帯の増加
【11月21日 KOREA WAVE】気温が低下し韓国で自家製のキムチを漬ける「キムジャン」の季節を迎えるなか、キムチ作りを諦める人々、いわゆる「キムジャン放棄族(キムポ族)」が増加し、コンビニで販売される使い切りサイズのキムチが人気を集めている。業界は関連新商品を発売したり、キャンペーンを実施したりして積極的な販売を展開している。 韓国でキムジャンを自宅でせず、市販のキムチを購入して消費する層が増えている。韓国農水産食品流通公社(aT)の「2022年キムチ産業実態調査報告書」によれば、包装キムチを購入する世帯の割合は2017年の10.5%から2022年には30.6%に拡大し、5年間で約3倍に増加した。 こうした消費者層の拡大を受け、コンビニ業界も迅速に関連商品を市場に投入している。韓国大手コンビニチェーン「GS25」は今月、自社販売の15種類のキムチ商品を対象にキャンペーンを実施している。「CU」もキムチ特集を開催し、キムチの予約販売を開始。「イーマート24」はアプリを通じて予約販売を進めており、いずれもキムジャンシーズンを狙った販売戦略だ。 コンビニでのキムチの売上も好調だ。GS25によると、今月1日から18日までの冷蔵キムチの売上は、前月同期比で15.9%増加し、注文専用商品のポギキムチ(丸ごとキムチ)は売上が53倍に伸びた。CUでも、1日から17日までのキムジャン用キムチの売上が前月同期比で39.3%増加し、キムチ特集の販売商品は約2万個売れたとされている。 コンビニキムチの消費増加の背景には、消費スタイルの変化がある。GS25の関係者は「1人暮らし世帯などが増えたことで、大量にキムチを保存して食べる文化が、小分けされたキムチを必要な時に購入して食べるスタイルに変わりつつある」と説明する。 実際、コンビニで販売されるキムチは1kg未満の小分けパッケージが中心で、割引キャンペーンも展開され、比較的手頃な価格が多い。また、伝統的な「ムグンジ」(熟成キムチ)や「カッキムチ」(からし菜のキムチ)、「ヨルムキムチ」(大根の若葉を使ったキムチ)など、製品のバリエーションが広がり、選択肢が多いことも人気の理由として挙げられる。 キムジャンの手間が省ける上、価格が手頃な点がコンビニキムチの人気を支えている。ある業界関係者は「キムジャンの材料価格が上昇しており、1~2人世帯の増加によりキムジャンを諦める人が多い。コンビニはアクセスの良さと小分けパッケージによる手頃な価格で、消費者に支持されているようだ」と話す。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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