【ニュージーランドT回顧】エコロブルームとボンドガールが貫禄示すワンツー 中山マイルで輝いた父ダイワメジャーの活力
穴種牡馬ディーマジェスティ
2着ボンドガールは桜花賞除外によって、同週のこちらに回ってきた。2/3の抽選で弾かれた不運こそあったが、ここで2着と気を吐いたことでまた次へつながっていく。 昨年は似たパターンのウンブライルがNHKマイルCでも2着と好走した。実績面ではボンドガールが上回る。秋から少し順調さを欠いていたが、上手に流れに乗り、2着と好走したことで再浮上のきっかけをつかんだのではないか。こちらも父ダイワメジャー。秘める活力は高い。 除外馬が別の重賞で激走するのは、阪神牝馬Sの3着馬モリアーナと同じパターン。GⅠ出走を目指した馬はたとえ除外されても状態がよく、しばらくこのパターンには注意が必要だろう。 3着ユキノロイヤルは近年の好走パターンのひとつ。前走マイルの1勝クラスを勝ち、昇級初戦だった。特にこの馬は東京で3戦3敗、中山は2戦2勝の明らかな中山巧者でもある。好位から粘り込む形をみても、速い上がりでは好走できない。今回はそういった特徴と枠順を踏まえ、先手を奪いに行ったのが功を奏した。 父は皐月賞馬ディーマジェスティ。産駒の競馬場別最多勝も中山の10勝で、中山開催中は忘れずにチェックしたい。芝1600mは勝率も高く、回収率も単勝が250%、複勝も104%と高い。ユキノロイヤル自身も今回9番人気で、これまでの2勝も3番人気と6番人気だった。人気になりにくい種牡馬なので、ぜひ味方につけよう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳