「マージで強い!」渋野日向子が大の仲良しの優勝を祝福 自身も2位で来季シード復活当確
◆米女子プロゴルフツアー メジャー第2戦 全米女子オープン 最終日(2日、米ペンシルベニア州ランカスターCC=6583ヤード、パー70) ゴルフの全米女子オープンで、日本勢はメジャー過去最多となる5人がトップ10入りを果たした。昨年よりも1人少ない21人が出場し、決勝ラウンドには最多14人が進出。笹生優花(22)=フリー=が2度目の制覇を果たし、単独2位に渋野日向子(25)=サントリー=が入った。21年大会以来となる日本勢のワンツーフィニッシュという輝かしい大躍進を遂げた。 コースを歩く渋野に、心からの笑顔があった。粘り強く72ホールを戦い抜き、得意の大舞台で自信を取り戻した。「めちゃくちゃしんどい4日間だった。ここまでの自分のゴルフの内容では、あり得ない結果なので、正直ビックリ。この位置で戦えたのは奇跡」。2019年のAIG全英女子オープンに続くメジャー2勝目には届かなかったが、堂々の単独2位フィニッシュ。メジャー5度目のトップ5入りを果たした。 2打差を追って最終日をスタートした。3、4番で連続ボギーとしたが、7番パー5で1メートルにつけて初バーディーを奪った。難易度の高い12番パー3で7メートル強の下りのスライスラインを読み切りガッツポーズ。「入るとは思わなかった。あれはすごく盛り上がるパットになった」と、この日のハイライトを振り返った。上がり6ホールはパーにまとめ「最後の最後まで全力でやれた」。アンダーパーで大会を終えたのは、優勝した笹生と2人だけだった。 大の仲良しの笹生の一つ後ろの組でのラウンドだった。18番の第2打地点で笹生が優勝を決定づけるパーパットを沈めたのを見届けると、頭上で両手を振るように、笑顔で大きな拍手を贈った。プレー後は駆け寄り「おめでとう! マージで強い!」と抱擁。「優花が勝って自分もうれしい」と健闘をたたえ合った。2位ながら、129万6000ドル(約2億300万円)の高額賞金を獲得した。 米ツアーを主戦場にして3年目。昨季は不調が響き、今季のシード権を逃した。前週まで9試合のうち6度予選落ちと今季も苦戦が続いていたが、今大会は軟らかいシャフトに変更したことが奏功し、ショットの調子を大きく取り戻した。ポイントランクは138位から大きく浮上する見込みで、来季のシード復活を当確とした。「ここからまた新しい章がスタートできるな、という感覚。すごく前向きな気持ち。これからがすごく楽しみになった」。渋野らしく、劇的な復活の物語を紡いでいく。 ◆渋野 日向子(しぶの・ひなこ)1998年11月15日、岡山市生まれ。25歳。作陽高出身。8歳でゴルフを始め、2018年に2度目の挑戦となったプロテストに合格。日本ツアーは19年ワールドレディスサロンパスカップで初優勝し、通算6勝。同年初出場のAIG全英女子オープンで日本勢2人目の海外メジャー制覇。小学2年から6年までソフトボールでも活躍。ポジションは投手で好きな選手は上野由岐子。167センチ、62キロ。血液型AB。家族は両親と姉、妹。
報知新聞社