西武5位指名を受けた“北大生”独立リーガー「NPB入りのためのしたたかな戦略」<インディゴソックス ドラフト指名6人全員インタビュー③後編>
今年のドラフト会議で「11年連続&6人同時指名」という快挙を達成した徳島インディゴ ソックスの育成力の秘密に迫る本企画。西武からドラフト5位位指名を受けた宮澤 太成投手(長野高-北海道大)の後編をお届けする。 【動画】宮澤太成の快速球がエグイ... 北海道大で輝かしい成績を残し、注目を浴びていた宮澤 太成。が、留年したことで公式戦出場もできない、就職して社会人野球に進むこともできない「空白の1年」が生まれてしまうことに。そこで宮澤が選んだのが徳島インディゴソックス。自ら志願して大学に籍を置いたまま、徳島に向かった。
徳島に来て味わった「人生で一番つらい時期」
「ダメなら1年で野球を辞める」と決めていた宮澤だったが、シーズン序盤、苦しんだ。オープン戦からアピールし続けていたのだが、前期シーズン(四国アイランドリーグplusは1シーズンが前期後期に分かれている)は出場機会が少なく、ベンチを温める日々が続いたのだ。10年連続ドラフト指名を達成していた球団の層の厚さとレベルの高さを痛感する毎日。それでもプロへの想いが宮澤を奮い立たせた。 「僕はプロになるために徳島に来たので。そのためにはまず試合出なくちゃいけないじゃないですか。それなのに、なかなか試合に出られなかったのですごく悔しい思いをしました。 どんな結果になっても今年で白黒つける覚悟で入ったので、NPBを目指す最後のシーズンで諦めたりする考えはなかったです。」 辛い時期だからこそ野球から逃げることはしなかった。 「プロ野球選手はいつか野球以外の職業に就く時がありますよね。レジェンド級に活躍できたとしても40歳ぐらい。それ以降の人生は、プレイヤー以外の部分で歩んでく。ここで逃げたら、人生でちょっと嫌なことがあったら目を背けちゃう人になってしまうって思っていました。 苦しい時ほどその人の人間性が垣間見える、ってよく言うじゃないですか。自分は苦しい場面で楽な方向に行く人間になるのが嫌でした。そういう自分になりたくないという思いがあったからこそ、人生で1番苦しいタイミングだったけど、ここは逃げずに踏ん張ろうと決めていました。」 人生で一番苦しい時期を支えたのは、学生生活で得た経験だった。 「勉強で点数を取ることとかが、野球の技術向上に繋がると思います。逆に野球をうまくなるために色々考えたり行動したりすることが、勉強で点数を取ることにも活きると思っています。野球と勉強って対立するものっていうより、お互いにプラスに関係しているものだと考えています」 もちろん、支えになっていたのは本人の気持ちだけではない。インディゴソックスのyoutubeチャンネルで試合を見てくれていた両親の存在も大きな活力だ。 「両親はずっと応援してくれましたね。独立リーグ行くという決断をしたとき、気持ちよく応援してくれましたけど、心の中では大丈夫なのかなとか思っていたと思います。そんな中で、よくインディゴソックスさんのyoutubeでやっている試合中継を見て、応援してくれていたみたいです。その期待にも応えたいという思いはありましたね」
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