【日本ハム】悩めるロマン砲 清宮幸太郎にOB・田中幸雄氏が感じる「課題」とは
日本ハムの戦いぶりが注目を集めている。 2年連続最下位からの巻き返しをはかる今季は、春先から投打が噛み合う試合も多く、快進撃を続けた。 【動画】開幕戦で先制適時打と結果を残した日本ハム・田宮の打撃シーン 好調の要因は様々だが、特に目を引くのは、いよいよ首位打者に躍り出た捕手の田宮裕涼や堅守も光る水野達稀、パンチ力ある打撃が売りの郡司裕也といった若手野手の台頭だろう。 それぞれのポジションで奮闘した姿を見せており、ファンにとっても新たな喜びとなっている。一方で気がかりなのは、清宮幸太郎の存在だ。 今季はキャンプイン直前に左足首を負傷し、以降は2軍でリハビリと調整。その後、4月19日に1軍初昇格を果たすも、9試合に出場、24打数2安打、0本塁打、2打点、打率「.083」と精彩を欠き、5月6日に抹消となった。 球団OBで2軍監督時代には直接の指導経験もある田中幸雄氏は現状の清宮の打撃面について「もっと下半身を上手く使えるようになった上で、振りきって欲しい」と話す。以前から打撃面では強く振ることを課題としていたが、そこがクリアになれば反対方向への打球ももっと増えると見る。 加えて、守備面でも課題を提示した。昨年は一塁、三塁手として出場したが、1軍でレギュラーを掴み取るためには、足の運びやボールへの入り方、スローイングなどまだまだ不安定な部分も多いとし、守備力の向上も欠かせないとした。 一方、清宮が故障などで開幕から遅れをとっている間、レギュラー定着を狙っていた三塁ポジションには、今キャンプから新たに取り組み始めた郡司裕也が着々と結果を残している。 郡司は本来捕手ながら、サードの守備にも懸命に取り組み、打撃では、31日のDeNA戦でも5号ソロを放つなど、堅調な成績でアピールを続けている。ここまで打率「.262」、5本塁打、22打点の成績をマークしている。 清宮にとっては、本来守っていた一塁ポジションも開幕からほぼ全試合で主軸のアリエル・マルティネスが起用されており、こちらも6月1日のDeNA戦で6号を放つなど、4打数2安打2打点の活躍、打率「.263」、6本塁打、27打点をマークと長打力を兼ね備えた主砲としてチームには欠かせない存在となっている。 二軍で調整する清宮が再びレギュラーを掴み取るには、一軍昇格後にこれら現在活躍を見せているライバルたち以上の結果を残すことが必須となる。 高校通算111本塁打を記録し、ポテンシャルと可能性を秘めているスラッガーも今季でプロ7年目となる。首脳陣やファンは本格覚醒を期待し続けている。成長を見守ってきた田中氏も「まだまだ若い、成長できる」と背中を押す。 さらにパワーアップし、再びグラウンドで躍動する背番号21の姿を心待ちにしたい。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]