世帯年収が高く、子ども本人の成績も悪いので奨学金審査に通らないかもしれません。大学4年間の学費はどのくらい必要なのでしょうか?
大学進学費用の負担を減らすために、奨学金の受給を検討している家庭も多いでしょう。「経済的に困難な学生が利用する」といったイメージから、世帯年収が高いと利用できず、学費を捻出できないのではないだろうかと不安に感じている人もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、奨学金を受けるための世帯年収や成績の基準や、大学に通うのに必要な学費の目安を解説します。自身の家計や本人の成績と照らし合わせて、奨学金を利用できるかどうか確認してみてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
年収が高いと奨学金を受けられない? 世帯年収の基準とは
独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金(以下、奨学金)を受給するには、世帯収入が家計基準を満たしている必要があります。奨学金には無利子で貸与される第一種奨学金、有利子で貸与される第二種奨学金、返済不要の給付型奨学金の3種類があり、それぞれ図表1のとおり家計基準が設けられています。 【図表1】
独立行政法人 日本学生支援機構「進学前(予約採用)の第二種奨学金の家計基準」「進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準」より筆者作成 第一種・第二種奨学金の貸与額算定基準額とは、次の式で計算した金額です。 貸与額算定基準額=課税標準額×6%-市町村民税調整控除額-多子控除-ひとり親控除-私立自宅外控除(※100円未満切り捨て) 例えば、本人と共働きの両親、中学生の兄弟の4人家族の場合、世帯年収の目安は第一種:803万円、第二種:1250万円、併用:743万円です。世帯年収がある程度高くても、家族構成などの条件によっては貸与型奨学金を利用できることがわかります。 また、給付型奨学金の支給額算定基準額は、次の式で計算します。 支給額算定基準額=課税標準額×6%-(市町村民税調整控除額+市町村民税調整額)(※100円未満切り捨て) 例えば、学生本人と片働きの親、中学生の兄弟の4人家族の場合、世帯年収の目安は第1区分:271万円、第2区分:303万円、第3区分:378万円です。世帯年収が一般的に高いと言われる家庭では、給付型奨学金を受給するのは難しいでしょう。