“令和の米騒動” 沖縄は無縁? 独自の旧盆文化、卸業者がとった「赤字覚悟の対応」が奏功
「コメ品薄のニュースが流れていますが、県内ではそうは感じません。どうして?」。那覇市の40代女性からこんな疑問が寄せられた。その足でスーパーを回ると、確かにどの店舗でも積み上げられたなじみの風景はそのままだ。県内のコメ事情を探ってみると沖縄独自の背景が見えてきた。 【写真】山積みの「化粧箱」に入った米 沖縄では贈答品として人気が高い 県外では政府に備蓄米の放出を求める声が上がるほどの品薄で、“令和の米騒動”と言われるほどだ。流通しているのは県外産が主であるにもかかわらず、沖縄県内で充足しているのはなぜか。 昨夏の台風や高温の影響で流通量が不足し、ことし1月ごろには既にコメ不足を懸念する声が上がっていた。当然、仕入れ値も上昇した。その状況下で県内のコメ卸業者が取った対応は「お盆があるので赤字覚悟で買い足しを続けました」という。 沖縄の盆は多くの地域で旧暦7月13日~15日の3日間に行われる「旧盆」で、大きな年中行事の一つだ。そして旧盆にお中元の贈り物としてコメを選ぶ人も多い。 夏ギフトの主力がコメというのは沖縄独特の傾向で「お中元時に切らすわけにはいかない。県内卸のプライドがありますから」とある担当者は胸を張った。