江戸時代中期から後期にかけて、現在の三重県で活躍した画家の作品を紹介する企画展が、三重県立美術館で開かれています。 　江戸時代の三重県では、現在の津市周辺で活動した「曾我蕭白（そがしょうはく）」、宇治山田にある寂照寺（じゃくしょうじ）の僧「月僊（げっせん）」、そして、現在の桑名市にあった長島藩の5代藩主「増山雪斎（ましやませっさい）」の3人の画家が活躍しました。 　会場では、3人が描いた掛軸や屏風絵など49点が展示され、独自の視点で描かれた個性的な動物や植物などを楽しむことができます。 　中でも、蕭白の「林和靖図屏風」は、俗世を離れて妻の代わりに梅を愛した中国宋時代の詩人の姿が気怠そうに表現され、蕭白が伝統や権威に対し斜に構えていたことが理解できます。 　また「増山雪斎像」は、1935年に大阪城天守閣で展示されて以来、行方不明となっていた幻の作品で、今回89年ぶりの公開となりました。 　企画展「知っておきたい三重県の江戸絵画」は12月1日まで開かれ、11月30日には学芸員によるギャラリートークも行われます。