カワウ増加でアユ釣りピンチ ロケット花火で追い払いも「漁場が守れない」 ドローン使い巣の調査へ 静岡・伊豆市
日テレNEWS
静岡県東部の川で「カワウ」が増えています。カワウはアユなどの魚を1日10匹ほど食べるといい、食害をもたらすなど、地元の人などが頭を抱えています。 ◇ 19日午前4時半ごろ、静岡県東部の伊豆市を流れる狩野川を訪れると、カワウが川に潜ったり、飛んだりする様子が見られました。さらに、下流にもカワウが…。いたるところで姿を見せました。 カワウは、ペリカンの仲間で体長は80センチ程度。水に潜って、アユなどの魚を1日10匹ほど食べるといいます。そのカワウがいま、“アユ釣りの聖地”ともいわれる狩野川で食害をもたらしています。周辺の店では、カワウ対策で近隣住民に配慮しながら「ロケット花火」で追い払いを実施していました。 旭水園 菊地文子さん 「年々増えるから、どんどん。本当に困ってます。毎日打ってでも追い払わないと、漁場が守れない」 釣り人によると、15年ほど前からカワウを見かけるようになったといいます。一説によると、神奈川方面から静岡県東部に生息地を広げて来たと考えられています。 ◇ 東京湾でも、その姿は確認されています。今年4月には、千葉県習志野市で撮影されました。カワウは群れで行動することが特徴です。 記者 「まだまだ群れが来てます! どこまで続くんだろう! 何羽いるんだろう!」 環境省によると、日本では主に本州から南に生息していて、沿岸部から内陸の河川などの水域を広く利用します。 その被害は全国的にも深刻で、滋賀県では2004年には4万羽を超える生息数を確認。当時、水産被害などが問題となりました。その後、駆除などを進め、2016年には6500羽ほどまで減少しましたが、再び増えてきているといいます。 カワウの生態に詳しい琵琶湖博物館・亀田佳代子副館長は「(環境が改善し)非常に数が一気に増えてしまった。全国的にも数が増えて、分布も広がっている状態」 “地域資源”のアユ釣りを脅かすカワウ。地元の漁協はこの事態に「困っている」といいます。 狩野川漁業協同組合 井川弘二郎組合長 「放流したアユは最初は弱く、群れで動く。それを一網打尽にカワウが食べる。(アユは)地域の資源にもなっている。釣りに来る客が地域に泊まってとか、地域を潤していることが昔からあるので、非常に困っています」 伊豆市は県や専門家とともに、ドローンを使って巣を特定するなど、本格的に調査を始める方針です。