ヴィム・ヴェンダース監督作品 ドイツを代表する芸術家アンゼルム・キーファーを追うドキュメンタリー 映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』
ヴィム・ヴェンダース監督が手掛けたアートドキュメンタリー、映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』が、2024年6月より全国順次公開される。 本作は、戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。監督は、『PERFECT DAYS』で第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。 アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれで、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として、美術界の反発を生みながらも、注目を集めている。 1971年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことで、作品を通して“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。 ヴェンダース監督は、本作の制作には2年の歳月を費やし、3D&6Kで撮影。従来の3D映画のような飛び出すような仕掛けではなく、絵画や建築を、立体的で目の前に存在するかのような奥行きのある映像を再現し、ドキュメンタリー作品において新しい可能性を追求。「先入観を捨てて、この衝撃的なビジュアルをただ楽しんでもらいたい」と語る。 映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』は、2024年6月21日(金)より全国順次公開。
otocoto編集部
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