島田珠代「離婚・別居から10年ぶりに娘と同居」ぶつかって、暮らして、育んだ親子の関係
娘がわがままを言うのも、単なるわがままや言うことを聞かないんじゃなくて、私に甘えてるんですよね。そんなことにも気づけないほど、母親ってどういうものかをわかってなかったんです。 ── 娘さんは大きな気づきをくれましたね。その後はケンカもなく落ち着いてますか? 島田さん:もう一度、中2のとき、大きなケンカをしました。娘がご飯をボイコットして、2か月くらいしゃべってくれなかったんです。 そのときはもう、芸人も何もしたくないって思いました。劇場も行きたくなかったくらい。実際は笑顔で出てましたけど、がらんどうの空っぽみたいな気持ちでした。
娘と別居中、私の母が名古屋で夫と娘の世話をするために同居してくれていたのですが、娘から「おばあちゃんとはいっぱいケンカしたけど、私が一番大変なときにおばあちゃんがいてくれた。私はママより、いまはおばあちゃんのほうを母親だと思っている」って、言われました。うわーーっ、もうこんな切ない気持ち生まれて初めてやわ、って。 いままでは仕事を第一にしてきましたが、娘とぶつかって目が覚めました。私は芸人である前に人間なんやって。本当に妙なプライドもなくなりましたね。子どもって、ほんまにすごい存在です。すごいことを教えてくれます。
■「スベって落ち込んでも」励ましてくれる娘の存在 ── 最近は、娘さんとの関係はいかがですか? 島田さん:ぶつかることによって絆が深まり、やっと親子になれました。ふたりとも、もうあのときには戻りたくないと思っています。 いま、娘は中3で受験生です。以前の私なら「ここの学校行け!もっとがんばれ!」と言ってたはずです。でも、いまはある程度「勉強してね」と言いますが、本人が頑張ったならそのまま受け入れるつもりです。
── 娘さんは、島田さんのことをどんなふうにとらえているのでしょう? 島田さん:狭い家の中を走りまわって、洗濯物をとりこみ、たたんで、また走ってトントントンってご飯作って、夜中の稽古に行って…という私を見て、頑張っているなぁと思っているようです。 ── お母さんが芸人として舞台に立っていることについては? 島田さん:私が芸人だというのは、たまに信じられない気持ちになるそうです。「ママが芸人さんだっていうのはあまり考えないようにしている」って言っていますね。