東京をディスる地方移住者...「生活の質向上アピール」の裏にあるマウント思考
地方移住マウント
・地方移住してから、都会の喧騒を離れてストレスフリーな生活を楽しんでいます。贅沢な時間をいただけて感謝です ▶都会の喧騒から離れて、豊かな時間を過ごせていることを強調し、地方移住による生活の質の向上を周囲にアピールする ・地方移住後、地元の人たちと深いつながりができて、都会では味わえない人間関係を築くことができています ▶「地元の人たちとのつながりが自分の生活に新たな価値を与えてくれた」などと述べ、地元の人々との交流や地域貢献を強調する ・地方でのびのびと育った子どもは、都会で育つ子どもたちにはない自然と共生する感覚を持っていると思っています ▶地方で子育てをすることのメリットを一方的に語り、都会で子育てをするファミリーに対する優位性をさりげなく示す 【解説】東京から地方に移住し、都会でおこなわれているような競争とは無縁の生活を送っていることをアピールするマウント。リモートワークが普及する中、社会全体で地方移住の流れが加速しており、それに伴って「地方移住マウント」も年々増加傾向にある。 地方移住マウントを展開する人の一部は、地方生活の素晴らしさを強調し、「いかに自分が素晴らしい選択をしたか」を声高に叫ぶ傾向がある。 「東京のほうが食や文化などのあらゆる面で優れている」「住むなら絶対に都内だよ」といった主張に対しては、「独身なら都内がいいでしょうね。まあ、子どもができたら考えが変わると思いますよ」などといった形で、カウンターマウントパンチを浴びせるケースも見られる。 (補足)移住先としては、軽井沢や鎌倉、葉山などが人気がある。ただし、こういった地方移住は、「田舎暮らし」というよりは「金持ちの道楽」であるとの指摘がある。 また、居住地域によって厳格なヒエラルキーが存在し、東京と変わらぬ「マウンティング合戦」が繰り広げられているという意見もある。 東京から地方移住した人の中には、東京のことをSNSなどでやたらと否定する「東京disマウント」を頻繁に繰り返す人が存在する。 「東京で一流と言われるお寿司屋さんに行ってきました。こんなこと言っていいかわからないのだけど、移住先の福井のお寿司のほうが圧倒的に美味しい。素材の味が福井で食べる時のほうが感じられる。美味しい魚が手頃な値段で食べられる福井はやっぱり最高! 移住して本当に良かった! とあらためて実感しました」 移住先の生活に本当に満足していたら、このような投稿はしないはずであり、心のどこかで移住したことをじつは後悔していたり、移住先の生活になんらかの不満があるからこそ、彼らの多くは言い聞かせるように「自分は素晴らしい選択をした」という発言を繰り返すのだと考えられる。