フナやコイ次々…江戸時代から伝わる「たたき網漁」始まる 福井県若狭町の三方湖
福井県若狭町の三方湖で江戸時代から受け継がれる冬の伝統漁法「たたき網漁」が12月1日、始まった。漁師が青竹で水面を打ちつけると、「バシン」という音が湖に響き、冬の訪れを感じさせた。 【写真】絶品…とれたての魚で作ったお造り たたき網漁は、水温が低下し動きが鈍った魚を驚かせ、仕掛けたさし網に追い込む漁法。 初日は6隻が一斉に出漁した。それぞれが仕掛けた全長150メートルほどの刺し網に沿って船を動かしながら、長さ4~5メートルの青竹をしならせて振り下ろした。山々の紅葉が朝の日差しに照らされる中、湖面には水しぶきが勢いよく上がった。 50センチを超えるコイやフナが次々と網に掛かり、鳥浜漁協の田辺喜代春組合長は「幸先の良いスタート。今シーズンは期待できそう。三方湖の魚は身が締まって脂がのっている。多くの人に味わってほしい」と話していた。 漁は3月末まで行われ、コイやフナは刺し身や煮付けにして料理店などで提供される。問い合わせは同漁協=電話0770(45)0005。 ■若狭町と小浜市に全国唯一の「日本遺産プレミアム」 福井県嶺南地方にある小浜市と若狭町の「御食国若狭と鯖街道」は、文化庁の「日本遺産」に認定されている。さらに2024年7月には認定地域の最上位ランク「日本遺産プレミアム」に全国で唯一、選定された。これを記念して「鯖街道スタンプラリー」が11月1日から2025年3月31日まで実施中。地元の紹介施設や文化財を巡って2カ所のスタンプを集めると抽選でデジタル地域通貨が1万人にプレゼントされる。