イチローが30人の歴代最高FA選手に選ばれる!
FOXスポーツが、メジャー30球団の「過去から現在まで球団にとって最高の契約となったFA選手は誰だ?」という企画記事を掲載、各球団ごとに歴代最高FA選手を30人選んだが、その中で、マリナーズからは、現在マーリンズでプレーしているイチロー選手(42)との契約が選ばれた。 メジャーでフリーエージェントが制度として導入されたのは1976年のこと。以来、どのようなフリーエージェント選手と、どのような契約を結ぶかは、球団の命運を左右するようになっている。 FOXスポーツは、イチロー選出の理由について「このリストは、メジャーリーグ球団間で移籍した選手たちだが、メジャーリーグで最も素晴らしい選手のひとりであるイチローには、このルールを適用しない。イチローは、2001年シーズンを控えて日本からポスティングシステムでマリナーズと契約した」と述べている。この記事の通り、当時、オリックスから海を渡ったイチローは厳密にはフリーエージェントではなかった。マリナーズが、2000年11月にポスティングシステムを利用して、1312万5000ドル(当時の為替レートで約14億円)を入札して独占交渉権を得たものだ。 入札には、メッツ、レッドソックス、ドジャースなどの複数球団が参加したと言われているが、初の試みでメジャー側も、どのくらいの金額が適正であるかは手探り状態だった。当時のポスティングルールは現在の20億円の上限でなく、無制限で最高金額を入札した球団にだけ独占交渉権を与えるものだったが、各球団が戸惑い、入札額を低く抑える中、日本の任天堂がオーナーだったマリナーズが、オーナー筋の意向も手伝ってイチローを高く評価して独占交渉権を得た。 その年の11月末にマリナーズはイチローと3年契約1400万ドル(約15億円)で正式契約を結んだ。 メジャーでは、すでに、1995年からドジャーズでプレーした野茂英雄氏が一世風靡しており、それに続く長谷川滋利氏、伊良部秀輝氏、吉井理人氏らも結果を出していたが、いずれも投手で、日本人の野手に対する評価は全く定まっていなかった。 オリックス時代の2000年にすでに年俸5億円に達していたイチローにしてみれば、3年契約約15億円は物足りないものだったはず。しかし、マリナーズもポスティングに約14億円費やしており、これが限度だった。説明するまでもなく、イチローは、ルーキーイヤーの2001年には、レギュラーを獲得して、首位打者と盗塁王のタイトルも獲得、新人王とMVPを同時受賞し、センセーショナルを巻き起こして、結局、マリナーズ時代は、年間最多安打を7度記録した。メジャーの年間最多安打記録まで更新した。イチローの活躍から考えれば、非常に、お買い得な金額で契約を成立させたことになる FOXスポーツが最高のFA選手にイチローを選択したのも当然といえば当然かもしれない。 残りの29球団での最高のFA選手の名前も、以下のようなそうそうたるメンバーたちだ。