村田諒太との復讐戦をロンドン五輪銀ファルカンが熱望!
WBA世界ミドル級王者、村田諒太(31、帝拳)への挑戦を2012年のロンドン五輪のミドル級決勝で戦い、僅差で銀メダルに終わったエスキバ・ファルカン(27、ブラジル)が熱望した。米のボクシング専門サイト「ボクシング・シーン」が報じたもので来年6月に米国で村田のベルトへ挑戦するプランが浮上しているという。 同サイトによると3日(日本時間4日)にファルカンは、米国フロリダのキスミーで、ホセ・ミゲール・ファンディーノ(スペイン)とスーパーミドル級ノンタイトル8回戦を戦い、7回にTKO勝利したが、その試合後に、「私は村田にリベンジがしたい。あの試合はフェアでなかったし、そのことを決して忘れない。村田は、WBAのタイトルを獲得した。私は、それを彼から奪いとる気だ。それこそが私と私の仲間たちのリベンジの手段だ」と、対戦を熱望したという。 ファルカンの言うあの試合とは、ロンドン五輪ミドル級決勝のことだ。 足を止めての打撃戦となった試合は「14-13」の僅差で村田が勝利したが、ファルカンは、ホールディングの反則で2ポイントを減点されていた。同サイトは、その試合が論争となる判定だったことを伝え、ファルカンは、「常に村田は私をホールディングしていた。なのにレフェリーは私から2ポイントを減点した」と、5年前のレフェリングに納得していないことを改めて明らかにした。当時、ブラジル五輪委員会は、国際ボクシング協会に、決勝の結果を見直すように求める書簡を送っている。 もしロンドン五輪で、ファルカンが村田を破って金メダルを獲得していれば、2016年のリオ五輪のライト級でロブソン・コンセイサンが金メダルを獲得するよりも先にブラジルのボクシング史上初の金メダリストの栄冠を手にすることになっていたという。 そういう因縁があるからこそ、なおさら、プロの世界でミドル級の世界チャンピオンとなった村田へ、プロでのリベンジマッチを熱望しているようだ。 ファルカンは、さらに「私はエデル・ジョフレが日本に奪われたベルトを取り戻す」ともコメントした。 記事によると、ブラジルの伝説の世界王者で「黄金のバンタム」の異名をもらうほど強かったエデル・ジョフレは、ファイティング原田氏と、1965年と1966年に二度、日本で戦い、二度判定で敗れたが、最初の試合は、スプリットデシジョンで、その判定に加えて、原田氏が決してブラジルで試合を行わなかったことも不公平だと考えているという。ファルカンが言う「私の仲間たちのリベンジ」とはこのことを指すのだろう。 「私とトレーナー(ロバート・ガルシア)は、村田を叩くためには何をすべきかがわかっている。我々には、準備も、モチベーションも、そして怒りもある。たとえ日本でも村田が望むどの場所で試合をしてもベルトを持ち帰ってくる。村田は、オリンピックで私から金メダルを盗んだ代償を払うことになるだろう。私は(WBAの)ベルトを奪うと、次に他団体のベルトを求めるが、今は、この村田との戦いを熱望している」 ファルカンは村田との世界戦実現への熱い思いをぶちまけている。 同記事の取材源によると、村田とファルカンは共にトップランク社がプロモートしているため、来年6月に米国のラスベガスか、アトランティックシティで、このロンドン五輪決勝再現のタイトルマッチが実現する可能性があるという。 10月22日に村田が、アッサン・エンダムとの再戦をTKOで制してベルトを奪取した際に来日したトップランク社のトップ、ボブ・アラム氏も、村田の今後のプランについて、「ロンドン五輪の決勝で村田と戦ったファルカンとプロのリングで再戦するのも面白いカードだ」と、ハッキリと口にしていた。 ファルカンは、まだ世界ランキング入りはしていないが、2014年2月にプロ転向して以来、現在、19試合を戦い全勝で13KOの戦績。2014年4月には、ラスベガスのMGMでマニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリー戦の前座にも登場している。ファイティング原田vsエデル・ジョフレから続く日本vsブラジルの因縁、そして、ロンドン五輪決勝のリベンジマッチとなると、ストーリーのある防衛戦になりそうで、実現の現実味がありそうだが、果たして……。