「私はまだ元気よ。縁起でもない!」と終活を拒む親。元会社員の親でも終活が必要な理由とは
日本の超高齢化により、今は人生100年時代。親の相続が起こった時には自分自身も高齢となってしまうケースも多くなっています。大家族で同居などしていれば、相続関連の手続きの流れを話題にすることもあるかもしれませんが、いきなり自分自身に相続手続きをする必要が迫ってくることもあるのです。 今回は終活が必要な理由とどんな終活からはじめるといいのかをお話しします。
終活はだれでも必要だと理解しておきたい
終活をいつから始めるかというのは人それぞれですが、「終活が必要ない人」はいないといえるでしょう。 終活を考え始めるきっかけとしては、自分の身のまわりやきょうだい関係など、自分自身の経験からくることは多いですが、核家族も多くなっていますし、親族とのつながりが希薄であれば、そういう機会は少なくなっています。 ただ、親子の会話の中で、いきなり親に終活を勧めると、「縁起でもない」と怒らせてしまうことがあるのも事実です。「まだまだ若いし元気だから」「そんなにお金は持っていないし、どうせ相続税がかかるほどお金を持っていないし」など、終活をしない理由をあげられると、子どもとしては言い返すことはできないかもしれませんね。 本来は、会社員だろうが、専業主婦(夫)だろうが、年金暮らしの無職だろうが、立場にかかわらず、人が亡くなると相続の手続き自体は発生します。相続財産というと、ついついプラスの財産に意識が向きがちですが、相続財産とはマイナスの財産も含むということを、親子で認識をすり合わせておきましょう。 亡くなった場所が病院なら医療費の支払いも必要ですし、賃貸住宅に住んでいたなら家賃の支払いや水道光熱費などの支払いもあり、亡くなった後、自分でできない手続きが誰にでも起こり得るのです。こんな時のために、どこに何があるのか書いておく、支払いをする費用として信頼できる人に預かり金を預けておくなど、このようなささいなことも終活といえるのです。