[日野市]改正民法による新制度で所有者不明の空き家を売却
東京都日野市(18万7300人)は、2023年4月1日施行の改正民法の規定による「所有者不明土地・建物管理命令」を活用した空き家の解消に乗り出している。所有者不明土地・建物管理命令とは、所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない土地や建物について、管理の必要性があるときに、裁判所が管理人を選任し、その建物の管理を命令する処分制度。選任された管理人は、裁判所の許可を得て土地や建物を売却することができる。 市は2023年6月13日に、所有者不明の築後約50年の木造の空き家と敷地について地方裁判所に所有者不明土地・建物管理命令の申し立てを行った。その結果、同年10月27日付けで裁判所より管理人(弁護士)が選任され、所有者不明の空き家状態を解消するために売却などを進めている。同命令の申し立ては全国自治体で6番目、東京都内の自治体では初の取組みとなる。 市では、改正民法の規定を活用した空き家対策の他、空き家になる前の周知啓発や、空き家になってからの売却処分の支援や空き家利活用のマッチングなど総合的な施策を展開。処分と利活用の両面から空き家対策を推進している。 (月刊「ガバナンス」2024年4月号・DATA BANK 2024)
<株式会社ぎょうせい>