動画投稿サイト「FC2」創業者 9年もの「海外逃亡生活」から帰国した理由と逮捕の決め手
帰国情報をキャッチしてから、わずか3時間のスピード逮捕だった。 国際手配中だったインターネット動画投稿サイト「FC2」創業者の高橋理洋容疑者(51)が7日、韓国から関西空港入り。事前に情報を入手していた京都府警が、その場で身柄を確保した。 【写真】出所後カジノで9億円を失い…大王製紙元会長・井川意高氏が明かす「バカラED」 国際手配から9年に及ぶ「逃亡生活」にピリオドを打つ執念の逮捕劇はこうだ。 7日午後8時20分、金浦空港発の航空機が関空に到着。入国審査を終え、10年ぶりに日本の地を踏んだ高橋容疑者を待ち受けていたのは大阪府警関西空港署の警官だった。3時間前の午後5時20分、京都府警に入国情報が入り、大阪府警に協力要請。高橋容疑者は関空署へ任意同行を求められ、駆け付けた京都府警の捜査員に身柄を引き渡された。 逮捕容疑は2013年6月、大阪市内で仲間と共謀してFC2が管理するサーバーコンピューターにわいせつ動画を送信し、不特定多数が閲覧できるようにしたというもの。当時、高橋容疑者は海外にいたことから、京都府警は15年、入国時に身柄を押さえられるよう「国際海空港手配」の手続きを行い、以降、逮捕状の更新を16回続けていた。 ■「当時はアメリカ人だった」と供述 高橋容疑者は調べに対し、「私は当時、アメリカ人だったので日本の法律には違反しないと思う」と供述している。 高橋容疑者は学生時代、米国に留学。そのまま海外に移住し、米国籍の女性と結婚した。「日本に帰国したら逮捕される」という理由から、米国本土やハワイ、アラブ首長国連邦のドバイ、タイなど、世界を転々としながら「逃亡生活」を送っていた。なぜ、このタイミングで帰国する気になったのか。本人はSNSで<日本に帰りたい。母親も1人で病気やし><母親に会いたい>と、つぶやいていた。 FC2のユーザー数は14年時点で約1400万人。国内の動画投稿サイトでは4番目にアクセス数が多く、約95%の動画を日本語で視聴できた。 「当時、HPではラスベガスに拠点があると明記していたが、実質的な管理・運営は大阪市内にある法人で行われていたことが判明した。日本語の設定があり、<お盆休み>といった言葉遣いもあった。犯罪行為が一端でも国内で行われていた場合、国内法が適用できると判断した」(捜査関係者) 高橋容疑者は本人名義の米国のパスポートを所持していたというから、パクられるのを覚悟で帰国したのだろう。