「確定申告が必要な人」とは?自分でやる場合の「無料相談窓口」や注意点もチェック【税理士が解説】
自分で確定申告する場合の「無料相談窓口」
公的機関などでは、確定申告の無料の相談窓口を設けている場合があります。ここでは、自分で確定申告する時に活用できる相談窓口を紹介します。 ■税務署 自分で確定申告を行う際に疑問や不安がある場合は、税務署が提供する相談窓口を利用できます。たとえば、令和6年1月4日(木)から3月15日(金)までの期間には「確定申告電話相談センター」が設けられており、電話を通じて手軽に相談できます。また、税務署内での申告相談や署外での相談窓口も存在します。税務署の相談は適切なアドバイスを受けられることが多いため、迷った際には積極的に利用してみましょう。 ■税務署以外(自治体、商工会議所等) 税務署以外にも、「自治体」や「商工会議所」等に無料の相談窓口が設けられている場合があります。 ・自治体の相談窓口…自治体によっては、市役所などに確定申告の相談窓口が設けられている場合があります。ただし、対象者や相談内容に制限がある場合もあるので、注意が必要です。 ・商工会議所…商工会議所でも、確定申告に関する相談会が開催されている場合があります。記帳に関する相談や、税理士へ質問ができる等のメリットがある一方で、対象者が会員限定となっている場合も多いため、事前に問い合わせをするとよいでしょう。 ■(会計ソフト利用者の場合)会計ソフトのサポート 自分で確定申告を行う場合、会計ソフトのサポートを活用することもできます。ただし、このサポートを受けるには、日頃の記帳を会計ソフトを用いて行っている必要があります。また、サポートの範囲は主に「書類の作成方法」に関するものであり、税務処理には対応していないケースがあるため、会計ソフトのサポートを活用するには一定の税務知識が必要となる場合が多いでしょう。
確定申告を自分でやる場合の注意点
自分で確定申告を行う場合は、様々な点に注意する必要があります。ここでは、確定申告に関するトラブルについて確認をしましょう。 【注意】税務調査で困ることがある ⇒自分で確定申告をした場合、税務調査には、基本的に自分一人で対応する必要があります。このようなケースでは、仮に、経費の判断等について税務調査で指摘された場合に、個人で税法上の解釈を主張することは難しいと言わざるを得ません。また、調査にあたっては、必要な書類の準備や対処方法の検討など、膨大な時間と手間がかかる場合も多いため、税務調査で困る可能性が高いといえるでしょう。 【注意】税務署の回答も鵜呑みにできない ⇒前述のとおり、税務処理について判断に迷った場合は、税務署に相談することでアドバイスをもらうことが可能です。しかし、税務署の回答も鵜呑みにすることはできません。税務署のアドバイスどおりに税務処理を行っていた場合でも、そのアドバイスが間違っていたとして、後日追徴課税が科せられたケースがあります。1987年の最高裁の判例(最高裁1987年10月30日判決 〔 判例時報1262号91頁〕)により、特別の事情が存在する場合を除き、原則として税法上は信義則(禁反言)が適用されないことが示されているからです。禁反言とは「一度言ったことを翻してはならない」とする民法の大原則です。税法上は、原則としてこれが適用されません。そのため、たとえ税務署がアドバイスしていたとしても、後日それが間違っているとして追徴課税がなされる可能性があるのです。