10区で敗れ、公明が北海道小選挙区の議席失う 立憲神谷氏初勝利
与野党一騎打ちとなった10区は、立憲の神谷裕氏が小選挙区で初勝利を果たした。稲津久氏が敗れたことで、公明は自公連立政権が復活した2012年以降、道内で唯一維持してきた小選挙区議席を失った。 【写真】支持者にあいさつする公明・稲津久氏=北海道岩見沢市 神谷氏は当選の報を受け「本当かな、というのが率直なところ」と、笑顔を見せた。自公選挙協力の象徴区での勝利に「相手は強大だったが、政治とカネに対する国民の怒りが、ヤマを動かした。厳しい戦いだったが、有権者の変えたいという思いが、相手をはね返した」などと話した。 選挙戦で神谷氏は「国民の声を聞こうともしない、自分たちの都合を押しつける政治を変えなければいけない」と批判。「生活が苦しいのはみなさんのせいではない。一緒に政治を変えましょう」と、個別の政策よりも政権交代を前面に訴えた。公示日の第一声には立憲の枝野幸男元代表が、中盤以降は野田佳彦代表ら重鎮が駆けつけ、党を挙げて接戦区へのてこ入れを図った。 一方、小選挙区単独の稲津氏は、7期目の当選はならず、「私の不徳の致すところ。申し訳ない」と頭を下げた。政治とカネなど与党逆風については「厳しいご意見をいただいたが、それが敗因のすべてだとは思っていない」と言及。「物価高や経済対策など、様々な論戦があった」と話し、言葉少なに事務所を後にした。 稲津氏側は自公選挙協力の象徴区である10区に石破茂首相や公明の石井啓一代表が応援に入った。元厚生労働副大臣の稲津氏は、新型コロナ対策など公職での実績や、物価高対策として燃料費支援を訴えた。また、防災予算に絡めて「民主党政権の『コンクリートから人へ』は誤りだった」と、野党批判も展開したが及ばなかった。(佐々木洋輔)
朝日新聞社