ウォーリー木下、川﨑皇輝の座長ぶりを絶賛「できないということが今まで一度もない」
川﨑皇輝が主演するミュージカル『町田くんの世界』が3月29日(土)より東京・シアタークリエにて上演される。原作は別冊マーガレットで連載された、安藤ゆきによる漫画。2019年には映画化もされた人気作の初のミュージカル化だ。公演に先立ち3月5日、報道陣に稽古の様子が公開された。出演は川﨑のほか長澤樹、神里優希、斎藤瑠希、礒部花凜、湖月わたる、吉野圭吾ら。 【全ての写真】ミュージカル『町田くんの世界』公開稽古より(全19枚) 物語は黒髪で眼鏡、物静かで真面目そうな外見とは裏腹に成績は中の下、運動神経は見た目どおり、そして5人の弟妹がいる高校生・町田一(はじめ)が主人公。一見、目立ったところもなさそうな町田くんだが、とにかく人間が好きな彼が人と真摯に向き合い、また周りのみんなも彼を愛していくさまを優しい筆致で描く、ハートフルな人間ドラマだ。これを、東京2020パラリンピック開会式を手掛けたことでも知られるウォーリー木下が演出する。 この日披露されたのは、プロローグから始まる冒頭の10分弱のシーン。町田くんが朝、目を覚まし、家を出て、学校へ行く――その日常の風景を、メインテーマ曲「Colors of Our Hearts」と2曲目「おはようありがとう」の中、2階建ての大きなセットが乗った回り舞台を出演者たち自身が回しながら描いていく。すれ違う人たちが町田くんと交わす会話やアクションから、街の光景のみならず、いかに彼がまわりの人々から愛されているかが伝わる。 川﨑以外のキャストは明確なキャラクターになる時もあればコロス的に存在する時間もあるのだが、そんな“役”か“俳優本人”か境界線があいまいになるような瞬間に見せている笑顔がとても明るく爽やかで心に残る。川﨑の人懐っこい笑顔も、いかにも町田くんらしい。さらに和田俊輔による音楽も朝の空気を感じさせる清々しさ。全員野球ならぬ全員芝居で、愛おしさあふれる“町田くんの世界”が色付いていく。 一度シーンを通したあとは、ウォーリーを中心に修正稽古だ。大きな回り舞台を演技しながら動かすのはやはり大変さもあるようで、見ている分にはわからなかったが少し位置がずれていた場面もあった様子。動かし始めが重いようで、ウォーリーが「ここは演出部さんに入ってもらって」と指示を出す一方で、俳優から「私も(動かす方に)入れます」という積極的な声もあがる。 またとあるシーンで、モデルをしているクラスメイト氷室くん役の神里優希にウォーリーから「若干芸能人っぽく」というリクエストが入り、神里が大げさにカッコつけたポージングを取り入れて演じながらも「……違いますね!」とセルフツッコミをしたところで共演者から大きな笑いが起こるなど、和気藹々としたカンパニーの雰囲気も伝わってくる。なおそれに対するウォーリーのコメントは「全然いいと思う、毎回それをやってほしいくらい(笑)」とのことだったので本番はどうなるのか楽しみにしたいところ。