公務員の不祥事続発、議会で謝罪 富山県、富山市幹部 窃盗、盗撮、ガールズバー…5月以降で5人
富山県内で5月以降、公務員の不祥事が相次いでいる。県警では倉庫から拳銃入れや手錠を盗んだとして警部補(43)が逮捕され、県では民間会社から出向している観光振興室主幹(55)が県迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で現行犯逮捕。富山市でも職員(21)と消防士(21)が無許可でガールズバーを営業したとして逮捕された。県民の信頼を損ねる事態になっており、10日に開かれた県議会2常任委員会と市議会6月定例会では幹部が陳謝した。 県内の公務員の主な不祥事 「法を厳正に執行すべき警察官がこのような事案を起こしたことは誠に遺憾であり、県民の皆さんに深くおわびを申し上げる」 10日、県議事堂で開かれた県議会教育警務委員会で県警の井上数也首席監察官が頭を下げた。捜査を尽くして厳正に対処し、職員の綱紀粛正に努めるとした。 県警は5月25日、警部補宮崎伸一朗容疑者(43)を建造物侵入と窃盗の容疑で逮捕。本部倉庫から拳銃入れ1点と手錠2点を盗んだ疑いがある。盗品は数十点に上り、一部をフリマアプリで出品して利益を得ていたとみられる。 県職員による犯罪も明らかになった。今月8日、富山市内の商業施設で保安員が10代女性のスカートの中にビデオカメラを差し入れて盗撮している男を目撃し、取り押さえた。県観光振興室主幹の宇佐美貴史容疑者(55)だった。 南里明日香経営管理部長は10日の県議会経営企画委員会で「県民の信頼を大きく損なったことは誠に遺憾で深くおわび申し上げる」と陳謝した。 県によると、宇佐美容疑者は全日本空輸グループから4月1日付で県に出向している。南里部長は「本人から事実確認を行った上でANAグループと協議の上で厳正に対処したい」と述べた。県は10日付で職員全員に綱紀粛正を求める通知を出した。 富山西署は風営法違反(無許可営業)の疑いで、市地域コミュニティ推進課主事若田悠弥容疑者(21)と市消防局の消防士杉谷竜生容疑者(21)ら男3人を5月22、23日に逮捕した。 10日に開かれた富山市議会6月定例会の一般質問で、清水裕樹企画管理部長は「不祥事が相次いで発生したことについては、事実を厳粛に受け止めている」と述べ、職員研修の中身を見直すとした。 ●出向社員盗撮容疑でANA陳謝 宇佐美容疑者はANAグループで地域創生事業を手掛ける「ANAあきんど」(東京)の社員で、同社によると、岐阜県高山市に出向したのに続き、4月から富山県に出向している。 同社総務人事部の担当者は取材に「社員が逮捕されたことは誠に申し訳ございません。被害に遭われた方に深くおわび申しあげます」とした。宇佐美容疑者の処分については「事実関係を確認し、厳正に対処する」とした。 宇佐美容疑者の前任として県に出向していた全日本空輸富山支店の須田直樹支店長は「真面目に勤務していると聞いていた。詳しい状況が分からないので何もいいようがない」と困惑した様子で答えた。 ●酒気帯び運転で停職6カ月 県中病院医長 富山県は5月31日、酒気帯び運転をして、罰金命令を受けた県立中央病院呼吸器外科の川向純医長(38)を同日付で停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。