自治会補助金、現金で受け渡し 市議「見直しを」 奈良・大和郡山
奈良県大和郡山市の自治会への補助金について、市職員が市自治連合会の口座から現金を引き出し、13の地区自治連合会長に現金で手渡していることが市議会で明らかになった。自治会側の意向に基づく古くからの手法だが、職員の精神的な負担、紛失・盗難のリスク、透明性確保などの観点から、口座振り込みに切り替えるべきだとの声も上がっている。 【図解】政府の目標、遠い…部長や課長の女性割合は?(2020年) 24日の市議会一般質問で、杉本葵氏(無会派)が問題点を指摘し、「今の方法は見直すべきだ」とただした。 市総務課によると、自治会への補助金は自治会等活動推進事業補助金約800万円と市広報紙「つながり」などの配布委託料約1800万円で、計年約2600万円。市がまず、自治会が集まった組織である市自治連合会の口座に振り込む。その後、市職員が連合会の事務局職員の立場で口座から現金を引き出すという。委託料については、市職員から現金を受け取った13の地区自治連合会長がさらに、計315の自治会に現金で渡している。 各自治会への補助額は世帯数に応じて決定。実際にどう使うかは補助金が各地区自治連合会、委託料が各自治会にそれぞれ任されていて、支出内容を市に報告する必要はない。 自治会への補助金について県内のある自治体の担当者は取材に、各自治会の会計担当の口座に直接振り込みをしていると説明。大和郡山市の担当者も口座振り込みが一般的な方法であることを認識している。 現金による受け渡しについて上田清市長は議会で「長い歴史の中で、基本的には受け取っていただく側の都合や希望による方法」と答弁。振り込み手数料の問題や団体名での口座開設の難しさを指摘し、「リスク低減、改善につながるアイデアがあれば教えてほしい」と述べた。【熊谷仁志】