【広島】新井監督「小園も成長したなぁ」 ゼロ行進を止めるチーム打撃に
◆JERAセ・リーグ 阪神2―6広島(10日・甲子園) 広島・新井監督はうれしそうだった。前日までリーグワーストの4試合連続完封負け。その連敗を止めた喜びだけではない。37イニングぶりの1点。その1点の取り方が、うれしかった。 初回1死三塁で小園。もしポップフライや三振なら、いっそう重苦しいムードに覆われ、無得点地獄が続いただろう。阪神内野陣は前進せずに定位置。そこで小園は1ストライクから外角球を軽打した。遊ゴロで三塁走者を生還させた。地味な形でも、とにかく1点。そんな思いが詰まったチームバッティングだった。 新井監督は「あのショートゴロを見て『小園も成長したなぁ』って思いました」と目を細めた。「追い込まれていたわけでもないのに、狙ってショートゴロを打ちにいった。いろんなものを背負ったショートゴロだったと思う。あれでベンチの空気も変わった。みんなの気持ちが楽になった」 23歳の3番打者が自己犠牲。5試合ぶりに挙げた得点には重みがあった。続く2回に6安打で5点。前日までの4試合連続無得点がウソのように打線がつながった。その連打も、初回の1点があったからこそだった。
報知新聞社